BMW 1シリーズクーペ 試乗レポート
- 筆者: 日下部 保雄
- カメラマン:原田淳
走りのオーラを醸しだす“1”の頂点モデル見参
BMWの販売は日本でもほぼ順調に推移しているが、その中核となるのは人気の3シリーズ。04年に1シリーズが投入されると、3シリーズとマーケットを奪い合うこともなく、BMWのシュアを上乗せするという好結果へ結びつけている。
5ドアハッチバックの1シリーズは、BMWの中でエントリーモデルとしての役割もあるが、スポーティで躍動的なBMWの一面をよく表すモデルとして受け入れられている。ベースグレードの1.6Lの116i、中堅グレードの120i、そしてハイスペックの6気筒3Lの130iである。
今回加わったクーペは、1シリーズの頂点モデルとなるもので、ある意味BMWの走りをわかりやすく表現したモデルでもある。後輪駆動というBMWのアイデンティティーはそのままに、3Lの直6エンジンと小型のターボを2個組み合わせる“パラレルターボエンジン”を搭載したパフォーマンスモデルのみの設定となる。トランスミッションは6速のマニュアルと、トルコンの6速ATが揃えられるが、ハンドル位置は全て右となる。
これぞドイツの韋駄天デザイン
1シリーズはググッと締まったアスリートのようなボディデザインが特徴。そこには、プレミアムの中でもスポーツにフォーカスしたBMWらしさを見ることが出来る。
クーペも例外ではなく、3シリーズクーペの伸びやかなスタイルとは異なった、コンパクトで締まったデザインに、ユニークさを見ることが出来る。もともと1シリーズはショートオーバーハングが特徴なので、リアエンドの伸びやかさはないが、135iクーペは、ロングフード/ロングホイールベースと相まって、キャビンを後方に寄せた独特のスタイルとなっている。日本に導入される135iクーペは、Mスポーツ仕様になるので、フロントとバンパー、サイドスカート、リップスポイラーなどのオリジナル装備に加えて、Mスポーツの17インチアルミホイールなどはいかにもそれらしい。カラーは3色でメタリックレッド、ホワイト、メタリックブラックだ。
インテリアはBMWらしくドライバーオリエンテッドで、シンプルと緊張感を持ったデザインとなっている。バケットの深いスポーツシートや、握りの太いレザーステアリングホイールなどが、135iクーペの標準装備となっている。
搭載の6速MTはまさに走りの真骨頂 BMWの走り本質を感じる
ステアリングにはアクティブステアとノーマルステアリングの2種類から選択できるが、ベースのノーマルステアリングを基準にレポートしよう。
ロックtoロック3回転の油圧パワーステアリングは、BMWの真骨頂のすっきりとした抜群のステアフィールを見せる。個人的には、BMWは世界一のフィーリングを持つメーカーと思っている。操舵力、保舵力とも丁度良いバランスを持ち、ハンドリングはほぼ50対50の重量配分が効果的で、ハンドル切り始めの反応は早い。アクセルを踏むと後輪荷重が増して、強力なトラクションと弱アンダーステアの特性がバランスして、ドライバーに安心感と良い意味の緊張感を与える。ロールも抑えられているので、左右切り替えの反応も早く、BMWらしいセッテイングとなっている。
6速マニュアルトランスミッションの操作性は、手のひらでシフトノブを返せるような性質ではなく、これもBMWらしくガッチリとしたものだ。操作は軽くミスもなくシフトできる。ギア比はワイドで1速では60キロ、2速では110キロほどまで引っ張れる。ちなみに6速100キロでは2200回転にとどまるので、クルージングでは好燃費が期待できそうだ。
エンジンは低速回転からビッグトルクを出すので、素晴らしくドライバビリティは良い。それに7000回転のトップエンドまで無理なく吹きあがるのも、さすがにBMWらしいエンジンを感じさせる。いまや世界の少数派となった直列6気筒のストレートな回転フィールは、やはり心地よい。パワーを開放すると暴れ馬になりかねないが、135iクーペはうまくまとめられているようだ。
ハンドルから伝わる知的コンパクトスポーツのメカニズム
Mスポーツといえば、オーバーダンピング気味の乗り心地を思い起こし、構えてハンドルを握ったが、それが意外と素直でアシがきちんと動いていることに驚いた。もちろん硬いが、しなやかである。当初は硬いサスペンションも1,000キロぐらいから和らぐようだ。これなら目線を固定でき、気分はスポーツモードでなくとも、素直なハンドリングとともに積極的にドライビングを楽しめるし、長距離でも疲れないだろう。
ちなみに後席は十分ではないが、見た目以上に大人2人が座れるスペースがある。ヘッドクリアランス、レッグスペースとも2人座っても閉塞感はない。トランクも幅が限られるのでそれほど広くはないが、3/2でトランクスルーになるので、意外と使い勝手は良さそうだ。
さて、クーペの次のラインアップ展開はカブリオレか・・・正直楽しみである。
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