BMW 新型2シリーズ 海外試乗レポート/川端由美(2/2)

  • 筆者: 川端 由美
  • カメラマン:BMW AG  協力:木村オフィス
BMW 新型2シリーズ 海外試乗レポート/川端由美
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スペックに偽りなし

BMW 新型2シリーズ

心臓部の3リッター直6ユニットは、過給によって326psまで出力が高められた3リッター直6ターボで、その結果、0−100km/h加速をわずか5秒フラットでこなすという俊足ぶり。ツインスクロール・ターボ+直噴+可変バルブタイミング機構のバルブトロニック+可変カムシャフト機構のダブルVANOSを備え、1300~4500rpmの幅広い領域で450Nmの最大トルクを発揮する。

つまり、どんなエンジン回転数からでも力強い走りを発揮するということ。その強大なパワーを受け止めるべく、BMWのスポーツ部門を受け持つM GmbHによって、シャシーや駆動伝達系まで含めた広範囲に渡って手が加えられている。

BMW 新型2シリーズ
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些細に語れば、スプリングおよびダンパー、フロントサスペンションのジオメトリーがMパフォーマンス専用となり、Mスポーツブレーキ・システムと専用セッティングのバリアブル・スポーツ・ステアリングを装備する。

サーキットのオーバルコースでその加速を体感し、スペックに偽りのないことを知った。

アクセルを踏み込むと、圧倒的な加速で小腹なボディを押し出して、まるで身体がシートに押し付けられるかのようだ。

一方で、ハンドリングも秀逸だ。

ステアリングを切れば切っただけ俊敏に鼻先を曲げ、アクセルペダルを踏んだ瞬間にパワーをデリバリーする。まるでドライバーの意図を汲んでいるかのように、ダイレクトに応答する。

安全性を鑑みてかファイナル・アンダーの設定ではあるが、限界に至る直前まで車両をコントロールできていると感じられるシュアな設定だ。心臓部のみならず、シャシーや駆動伝達系まで含めたトータルでの強化の結果、高速でのコーナリングが安定しているにもかかわらず、ハンドリングも俊敏であった。

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サーキットと待ち乗りの乗り心地をしっかりと両立

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街中での乗り心地も試すことができた。

EDC(エレクトリック・ダンパー・コントロール)に備わる「コンフォート」「スポーツ」「スポーツ+」の設定のうち、もっともマイルドな「コンフォート」を選んで走れば、アメリカの荒れた路面でも十分な乗り心地の良さが確保されている。

サーキットでのハイパフォーマンスぶりと街乗りクーペとしての乗り心地を、これほど両立できるものかと感心する。ナビゲーションやエンタテインメントを操作する「iDrive」には、兄貴分の3シリーズや5シリーズとまったく同じ、最新のコネクテッドドライブが採用されている。

標準仕様の6速MTが4万3760ユーロ、オプションの8速ATを選ぶと4万6000ユーロ。

正直なところ、サーキット走行だけを目的にスポーティなモデルを選べば、もっとパフォーマンス重視のスポーツカーがあるのも事実だ。しかし、日常での使い勝手の良さと乗り心地の良さを求めつつも、サーキット走行にも対応できるスポーティネスを備える「M235iクーペ」は、市井のクルマ好きにとって最高の解に思える。

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川端 由美
筆者川端 由美

1971年生まれ。大学院 工学専攻 修士課程修了。1995年住友電工にて、カーエレクトロニクスやタイヤの研究にたずさわる。1997年、二玄社『NAVI』編集部に編集記者として転職。2004年からフリーランスの自動車ジャーナリストとなる自動車の新技術と環境問題を中心に取材活動を行なう。エンジニア、女性、自動車ジャーナリストといったハイブリッドな視点でリポートを展開する。国土交通省・独法評価委員会委員、環境省・有識者委員ほか。記事一覧を見る

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