ベントレー ミュルザンヌ・フライングスパー V8モデル 試乗レポート／国沢光宏(2/2)

ミュルザンヌとフライングスパー、どちらを選ぶべきか

ただ、ミュルザンヌのボディサイズは少しばかり大きい。3476万円は全然気にならないけれど、マイクロバス級のボディだと、街中で扱いづらいという人もいるだろう。

そんな方におすすめしたいのが、一回りコンパクトな『フライングスパー』のV8モデルである。価格も1890万円と、メルセデス・ベンツ Sクラスの上級グレード並。

写真を見て頂ければ解る通り、何よりスタイリッシュ。全長こそ5315mmとミュルサンヌより気持ち短いものの、全幅1985mmでむしろ広い。もっと言えば、3476万円するミュルザンヌとの”差”が分かりにくかったりして。どちらも似た雰囲気だし、ボディサイズも大差無し。迷います。

グッと「リーズナブルな」フライングスパー

搭載されるエンジンは4リッターV8ツインターボの507馬力。最高速：295km/h、0～100km/h：5.2秒と、これまた十分速い！ 極上の滑らかさを持つミュルザンヌと比べれば乗り心地で多少届かないけれど、メルセデス・ベンツ SクラスやBMW 7シリーズと比べたら勝るとも劣らず。

なんでフライングスパーがミュルザンヌよりリーズナブルなのかと言えば、フォルクスワーゲンのフラッグシップモデルである『フェートン』のフロアを使っているためだ(したがってフルタイム4WD)。ミュルザンヌはロールスロイスと同じメーカーだった頃のシャシーを引き継いでます。

「人生を愉しむ」人のための英国車

個人的にはフライングスパーでも少しばかり持て余すサイズだからして、アウディA6のシャシーを使うベントレーなどあったら嬉しい。

やはりベントレーにはドイツ車とひと味違う「おしゃれさ」があり、クルマ通であると同時に「人生を愉しむ」人からすれば大いに魅力を感じるんじゃなかろうか。

御要望あったら、2ドアモデルのバイヤーズガイドもお届けします。

[レポート：国沢光宏／Photo：柳田由人]

BENTLEY Mulsanne[FR] 主要諸元

全長x全幅x全高：5575x1925x1530mm／ホイールベース：3270mm／車両重量：2710kg／駆動方式：後輪駆動(FR)／乗車定員：5名／エンジン種類：V型8気筒 OHV ツインターボチャージド ガソリンエンジン／総排気量：6747cc／最高出力：512ps(377kW)/4200rpm／最大トルク：1020N･m/1750-3250rpm／トランスミッション：8速オートマチックトランスミッション(ブロックシフト・パドルシフト付)／0-100km/h加速：5.3秒／最高速度：296km/h／タイヤ：9.0Jｘ20インチ・265/45ZR20／車両本体価格：34,765,714円[消費税込み]

BENTLEY Flying Spur V8[AWD] 主要諸元

全長x全幅x全高：5315x1985x1490mm／ホイールベース：3065mm／車両重量：2560kg／駆動方式：四輪駆動(4WD)／乗車定員：5名／エンジン種類：V型8気筒 DOHC 32V ツインターボチャージド ガソリンエンジン／総排気量：3922cc／最高出力：507ps(373kW)/6000rpm／最大トルク：660N･m/1750rpm／トランスミッション：8速オートマチックトランスミッション(ブロックシフト・パドルシフト付)／0-100km/h加速：5.2秒／最高速度：295km/h／タイヤ：9.5Jｘ19インチ・275/45ZR19[※撮影車は20インチタイヤを装着]／車両本体価格：18,900,000円[消費税込み]