”Must-Buy!”なプレミアムコンパクトSUV ~アウディ 新型 Q3「2.0TFSI quattro 180PS」試乗レポート/今井優杏~(3/4)
- 筆者: 今井 優杏
- カメラマン:小林岳夫
ビュン!と加速するのに、キュン!とするくらい低燃費
今回、2年前にオープンした国内最大級のショールーム「アウディみなとみらい」をベースに行われた試乗会において、試乗が叶ったのは「Q3 2.0TFSI quattro 180ps」だ。
まず本当に「え?それ本気?」となるくらい加速が鮮烈。アクセルを少しでも踏み込めばビュン!なのである。
TFSIは小さなエンジンをターボで補足する、いわゆるダウンサイジングターボエンジンである。しかし、昨今ありがちな、“初期の踏み込みに対する燃料噴射量をスカスカにしてなりふり構わず燃費に貢献しますよ的”な、力技で燃費に振りすぎたダウンサイジングエンジンとはちょっと様相を異にしているのが驚きだ。ホンマにこんだけ元気よく飛び出して、燃費効率は上がってんのかいな、とにわかにプレスリリースが眉唾めいたモノに見えてしまう、それくらいビュン!なのだ。
アウディらしいキャラクターにマッチした「S-Lineパッケージ」
加速のキャラに合ったスポーティーさを見せるのは、むしろきっちりと締められたアシにある。
コーナリングでは特に、あまりロールをさせずにカチっとさせていてかなりスポーティーな印象。このカタめの乗り心地、という辺りは試乗車に装着されたオプション“S lineパッケージ(エスライン・パッケージ)”の18インチタイヤも効いているかと思う。ちなみに直線の一般道でも、ロードノイズをかなり拾う。静粛性が高いとは言えないのも、ノーマル設定の17インチタイヤなら幾分良いはずだ。とはいえ18インチ装着車は、やっぱ見た目がメッチャカッコイイのである。悩ましい。
180ps版と220ps版、2つの「2.0TFSI quattro」その違いとは
ちなみに、Q3のラインナップには同じQ3 2.0TFSI quattroでも220psというハイパフォーマンスバージョンも存在するのだが、正直このトルクや加速を経験してしまうと、220psの必要性を疑ってしまうほど。それくらい180psでも鮮烈な飛び出しと、キュンキュンと水を切り拓くかのような元気のいいアクセルレスポンスを十二分に楽しむことが出来る。
棲み分けとすれば、どちらも初期の加速の元気良さという点ではさほど違いはなさそう。180psが1.400rpmから、220psが1.500rpmからという低い回転数からトルクを生み始めるので、街中を中心に普段使いがメインのひとは迷わず180psを選んで吉。
しかし、日常的にハードな登坂を余儀なくされる、もしくはスノースポーツが好きで山道を快適に走りたい、という、パワフルな走りだしとかアクセルをいったん緩めたあとの再加速(登坂などでけっこうこういうシーンが頻発する)を頻繁に必要とするひとは、4.400prmという高い回転域までトルクを生んでくれるから、やっぱり220psが安心だろう。
[Audiの世界観をじっくり体感・・・次ページへ続く]
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