冬だからこそ・・・アバルト124スパイダーをオープンにして、サソリの”ピリ辛スパイス”を愉しんじゃおう(3/4)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:和田清志・FCAジャパン
ちょっとした気難しさにむしろ”充実感”を覚える私って、ヘン!?(笑)
シフトのコックリとした手応えを確かめながら、ギアを1速に入れて走り出す。エンジン回転が増すごとにみなぎってくる重厚なトルク感。クルマを前に押し出す力はわずか1130kgの車重に対して相当に力強い。
坂道発進をすると低回転のトルクが薄くエンストしそうになる場面もあったりするけど、ちょっと手こずらせることで、ドライバーが腕を試す余地を残してくれている。
誰もが簡単に乗りこなせる優等生的なクルマが当たり前の時代に対し、「クルマって、気むずかしいものを自分の腕で乗りこなすことに充実感を覚えるものだよね」なんていう、現代のクルマ社会に向けたアンチテーゼに思えてくるのは私だけでしょうか。
初心者からベテランまで受け止める・・・アバルト124スパイダーは懐の深いクルマ
そうはいっても、連続するカーブではクルマ自体の挙動が危うさをみせることはなく、スピンモードに陥りにくい安定志向の動きを披露。その一方で、スポーツドライビングを愉しみたい時はクルマを意のままに操縦していける素直さが顔をみせることから、さまざまなスキルをもつドライバーを受けとめてくれる懐の深さも伺えます。
街では操作がしやすくて小回りが効くクルマなのに、こうして郊外に出掛けるのに高速道路を流すシーンでは車速が高まるほどに安定性が増し、勇ましく響くエンジンの鼓動が乗り手を心地良く刺激してくれます。愉しい! 気持ちイイ!
車速が乗って流す場面では安定性に優れているし、もっと車格が大きいクルマに乗っているようにゆったり気分でドライブできるところもいい。トップギアの6速に入れて流せば、巡航時のエンジン回転を低く抑えて走れるので、実用燃費の向上に効果が期待できそう。
冬だからこそオープンで楽しみたい! そのために・・・
また、幌の開閉は手動で専用スペースに格納するもので、オープン時に荷室のスペースに影響しないコンパクトな設計。走る場面に応じて手軽にオープン走行を楽しませてくれます。幌を閉めている時は外部の嫌なノイズの透過を抑えた静粛性が確保されているみたい。
冬場のオープンドライブはとても寒そうに見えるけど、じつはオープン時に車内を温かく保つ環境にも配慮が。フルオートエアコンはAutoモードにすると吹出口の選択や風量を自動でコントロールしてくれるし、温度調整式のシートヒーターが標準装備なので、これらを上手く使いこなせば快適に移動できること間違いナシ。
それにしても、今日はロングドライブには最高の冬晴れのお天気。澄んだ空気が映し出す美しい雪山の景色を望みながら、クルマと一体感を得て走ることとオープンドライブの醍醐味を思いっきり満喫してしまいました。走り出してしまえば風の巻き込みも最小限だし、強力なヒーターと相まって、思ったよりも寒くないんですよ。
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