軽市場に衝撃! BYDの新型軽EVは乗用初のスライドドア付きで実質価格214万円から!? JMS2025で初公開!

  • 筆者: 渡辺 陽一郎
  • カメラマン:茂呂 幸正/日産自動車/BYDジャパン
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世界最大のEVメーカーBYDが、ついに日本の軽自動車市場へ本格参入します。2025年10月30日(木)から開催される「ジャパンモビリティショー(JMS)2025」で初公開される見込みの新型車は、市場が待ち望んでいた「乗用車のスライドドア付きの軽EV」です。

日産 サクラを大きく上回る航続距離や、補助金を使えばガソリン車の人気グレードとも渡り合える戦略的な価格が予測されており、ショー最大の目玉となることは確実です。

この記事では、カーライフ・ジャーナリストの渡辺 陽一郎さんが入手した最新情報をもとに、BYDの新型軽EVのスペックや価格、ライバルと比較した際の強みを予想します。

目次[開く][閉じる]
  1. BYDが「乗用車」「スーパーハイトワゴン」「スライドドア付き」の新型軽EVを日本市場に投入!
  2. BYD 新型軽EVの予想スペック
  3. 【価格分析】補助金適用で実質214万円から! ガソリン車の人気モデルとも比較
  4. 【ライバル比較】BYD新型軽EVの3つの強みとは? 日産 サクラや既存の軽自動車と比較
  5. なぜBYDは日本専用の軽自動車を開発するのか?
  6. まとめ:ジャパンモビリティショー2025で初公開! 日本のEV市場を塗り替える存在になるか

BYDが「乗用車」「スーパーハイトワゴン」「スライドドア付き」の新型軽EVを日本市場に投入!

2025年10月30日(木)から開催される「ジャパンモビリティショー2025」。その最大の目玉として注目されるのが、世界最大のEVメーカーBYDが日本市場に送り込む新型軽EVです。

この一台が与える衝撃は、単に新しいEVが1車種増えるという次元の話ではありません。なぜなら、現在の軽乗用車市場の約半数を占める「スーパーハイトワゴン」という最も人気のあるカテゴリーに、市場が待ち望んだ「スライドドア」を搭載して登場するからです。

まずは、その核心となる予想スペックと価格から、詳しく見ていきましょう。

BYD 新型軽EVの予想スペック

現在判明している、BYDの新型軽EVに関する予想スペックは以下の通りです。

全長×全幅×全高

3395mm×1475mm×1800mm

ホイールベース

2550mm〜2600mm

パワーユニット

最高出力: 64馬力(47kW)
最大トルク: 180Nm

駆動方式

2WD(前輪駆動)

航続距離(WLTCモード)

ベーシック: 240km(バッテリー容量 25kWh)
ロングレンジ: 370km(バッテリー容量 40kWh)

車両重量

1100kg以上

タイヤサイズ

165/55R15

発売時期(予想)

2026年10月~12月

【価格分析】補助金適用で実質214万円から! ガソリン車の人気モデルとも比較

BYDの新型軽EVのグレードは2種類が設定される予定で、価格(税込)は249万円〜299万円と予想されます。補助金適用後の実質価格は214万円〜264万円となるでしょう。

タイプ車両本体価格(予想)補助金適用後(実質価格)
ベーシック

249万円

214万円(補助金35万円と仮定)

ロングレンジ

299万円

264万円(補助金35万円と仮定)

BYDの新型軽EVの最大の魅力の一つが、その戦略的な価格設定です。

ベーシックタイプの予想価格は249万円。国から交付される補助金を35万円と仮定すると、実質価格は214万円となります。

これは、軽自動車販売のトップを走るホンダ N-BOXの人気グレード「カスタム ターボ」(212万9600円)とほぼ同等の価格です。スライドドアを備えたEVが、ガソリン車の最量販グレードと肩を並べる価格帯で登場することは、市場にとって大きな衝撃と言えるでしょう。

また、航続距離の長いロングレンジタイプの実質価格は264万円。これはトヨタ ヤリスの「HYBRID Z」(257万9500円)といった国産コンパクトカーのハイブリッドモデルに匹敵します。

日産 サクラのベーシックな「X」(259万9300円)は、補助金(57万4000円)を差し引くと実質202万5300円です。BYDの新型軽EVは、価格は214万円に収まりますが、補助金が35万円と安いために、補助金を差し引いた実質価格は214万円でサクラ Xグレードよりも高くなります。

それでも後述するスライドドアの利便性や航続距離の長さを考慮すれば、その価格差を上回る価値を多くのユーザーが見出すはずです。

【ライバル比較】BYD新型軽EVの3つの強みとは? 日産 サクラや既存の軽自動車と比較

BYDの新型軽EVは、既存の軽自動車や軽EVと比較して、どのような強みを持つのでしょうか。ここでは3つのポイントに絞って解説します。

強み1:市場が待ち望んだ「両側スライドドア」の採用

現在の軽乗用車市場では、販売されるクルマの約半数を「スーパーハイトワゴン」が占めています。その最大の理由は、狭い場所でも乗り降りしやすい「スライドドア」の存在です。

しかし、現在販売されている軽EVの日産 サクラや三菱 eKクロスEVには、このスライドドアが採用されていません。

BYDの新型車は、この市場の空白を埋める「日本初のスライドドア付き軽EVスーパーハイトワゴン」(※商用車を除く)となる見込みです。これは、特に小さなお子様がいるファミリー層にとって、待望の選択肢となるでしょう。

強み2:日産 サクラの2倍以上? 長距離も安心の「航続距離」

EVの購入をためらう理由の一つに、「一回の充電で走れる距離が短い」という点が挙げられます。日産 サクラの航続距離は180km(WLTCモード)であり、日常の買い物や送迎には十分ですが、遠出には不安が残ります。

この点について、BYD関係者からは「サクラの航続距離は十分ではない」という声が聞かれました。その言葉通り、BYDの新型軽EVは、ベーシックタイプでも240km、ロングレンジタイプでは370kmの航続距離を実現する見込みです。

これは、後者はサクラの約2倍に達する数値であり、「ときどきは遠出もしたい」というユーザーのニーズにしっかりと応える性能です。

強み3:EVの利点を活かした広大な「室内空間」と力強い「走り」

BYDの新型軽EVは、エンジンを搭載しないEVの特性を最大限に活かした設計がなされています。

その最大の特長が、軽自動車の限られた規格の中で実現した広大な室内空間です。EVではボンネットを短くできるため、その分、室内の広さを左右するホイールベース(前輪と後輪の間隔)を長く取れるというメリットがあります。

また、床下に大容量の駆動用リチウムイオン電池を搭載するというEV特有の要件も、ホイールベースを長くする必要がある理由の一つです。

これらの利点と要件により、BYDの新型軽EVは、軽スーパーハイトワゴンの代表格であるホンダ N-BOXに匹敵する2550mm〜2600mmものロングホイールベースを確保。大人4人が乗ってもゆったりと過ごせる空間が実現される見込みです。

一方で、ただホイールベースを長くしているわけではありません。大容量バッテリーやスライドドアの採用により、車両重量は1100kg以上に達します。この荷重を支えるためには15インチ(165/55R15)という大径タイヤが必要となり、そのタイヤサイズを考慮すると、軽自動車の全長規格の中ではホイールベース2600mmが物理的な限界となります。

また、走行性能の高さもポイントです。モーターの最大トルクは、ガソリンターボ車の約1.7倍にあたる180Nmに達すると予想されます。アクセルを踏んだ瞬間から力強い加速を味わえるのはモーター駆動ならではの魅力です。

また、床下に重いバッテリーを搭載することで重心が低くなり、背の高いボディながら安定した走りとしっとりとした乗り心地が期待できます。

なぜBYDは日本専用の軽自動車を開発するのか?

日本のEV市場はまだ小さいものの、その中で軽EVが非常に大きな存在感を放っています。その状況を、具体的なデータで見ていきましょう。

日本のEV市場における軽EVの重要性

2025年上半期に国内で販売された乗用車の内、エンジンを搭載しない純粋な電気自動車の販売比率は僅か1.4%でした。しかし、この限られた電気自動車販売台数のうち、2025年上半期には、軽自動車の日産 サクラが32%ものシェアを占めたのです。

では、なぜこれほど軽EVが日本の市場に受け入れられているのでしょうか。それは、日本のユーザーのクルマの使い方に理由があります。

EVの弱点を補う、日本の軽自動車ユーザーの利用実態

軽自動車は一戸建ての世帯を中心に、セカンドカーとして小型/普通乗用車と併用されることが多く、買い物などの短距離移動に使われます。そうなると「1回の充電で走れる距離が短い」という電気自動車の欠点も気になりません。電気自動車と軽自動車は、親和性がとても高いのです。

この日本特有で有望な市場に対し、海外メーカーであるBYDはどのように挑むのでしょうか。

日本市場に最適化した開発体制で挑むBYD

軽自動車は日本独自の規格であり、海外メーカーが参入するには非常にハードルが高い市場です。それでもBYDが日本専用車を開発する背景には、彼らの強い意志が感じられます。

BYDは、日本のユーザーの厳しい目に応えるクルマづくりが、グローバルでの品質向上に繋がると考えています。開発はBYD本社が主導していますが、その中枢には日本の軽自動車開発に精通したメンバーもいるようです。

あるBYD関係者は「軽自動車は本国には分かりにくい分野だからこそ、日本のスタッフに十分な権限が与えられ、作業を進めやすかった」と語ります。この言葉からは、単に製品を輸入するだけでなく、開発体制そのものから日本市場に最適化しようという、BYDの本気度が伝わってきます。

まとめ:ジャパンモビリティショー2025で初公開! 日本のEV市場を塗り替える存在になるか

高性能、214万円からという実質価格、そして待望のスライドドアという使い勝手の良さ。BYDの新型軽EVは、日本の軽自動車市場、ひいてはEV市場全体の勢力図を塗り替える「ゲームチェンジャー」となる可能性を秘めています。

まずは、2025年10月30日(木)から開催される「ジャパンモビリティショー2025」でその姿を現すプロトタイプに注目しましょう。2026年10月〜12月と予測される発売に向けて、今後も最新情報から目が離せません。

【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:茂呂 幸正 画像提供:日産自動車/BYDジャパン】

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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

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