最近よく聞く「アイドリングストップ」の実力は?
- 筆者: 清水 草一
其の疑問、MJブロンディがお答えいたします!
世の中エコ一辺倒で、エコと名が付けば全部イイこと、のように十把一からげで思われている面がありますね。
しかし、エコにもいろいろあるので、ウエトさんのように、疑問を持つことはとても大事だと思います。
まず、渋滞時、エンジンが止まっている時にバッテリーが上がったりするのでは?という疑問ですが、そうなる前にエンジンが始動するようになっているので大丈夫です。
その代わりエアコンがONだと、状況によってはほとんどアイドリングストップしなかったりで、意味ない雰囲気になります。
アイドリングストップの省燃費の実力ですが、信号待ちの多い市街地走行で、おおむね燃費を1割向上させることができます。
たとえばプレマシーの場合、年8,000キロ走る平均的ユーザーが、その8,000キロすべてを市街地で走ったと仮定すると、年間1万円くらいガソリン代が節約できます。
しかしマツダのプレマシーの場合、i-stop付きは横滑り防止装置とのセットで、車両本体12万円高です。i-stopだけなら5万円アップと仮定すると、モトを取るのに5年かかるというわけです。
もうひとつ注意すべきなのは、バッテリーの値段です。
バッテリーは、アイドリングストップのあるなしにかかわらず、3~4年ごとに交換する必要がありますが、アイドリングストップ付きのクルマは、バッテリーを強化してあるので、その分バッテリーの値段が高いのです。
マツダはバッテリーを2個に増強。しかし値段は2個で1万5,000円程度で、アイドリングストップ無しとくらべても、それほど高くありません。
これがマーチやヴィッツのアイドリングストップ付きだと、現状3万円もする大容量バッテリー(1個)搭載なので、バッテリー交換のたびに2万円以上の出費増となります。
なぜバッテリーを強化する必要があるのか?それはまさにウエトさんが疑問に思われた「バッテリーがあがったりするなんてこと」に対処するためです。
バッテリーを強化せずに、そのままアイドリングストップ装置を付けると、バッテリーの寿命はたった1年くらいになってしまうんです。
もうひとつ、「発進するときのガソリン消費量」については、15秒のエンジン停止でおおむねどっこいどっこいです。
とにかく、アイドリングストップがついていれば、市街地では燃費が約1割向上します。
しかし高速道路ではゼロ。トータルでは7%くらいしか燃費は向上しないので、5万円プラスしてアイドリングストップを付けても、元を取るのに10年近くかかる計算になります。
MJブロンディの「ひとりごと」
もちろん、世の中「元が取れるかどうか」がすべてじゃありません。
フィットとフィットハイブリッドは、価格が36万円違いますが、燃費の差は約2割。減税額の差を考えても元は取れないし(減税額で7万円強の差、プラス10万キロ走ってガソリン代の差は14万円ほど)、生産から廃車までトータルで見てどっちがエコかといえば、普通のガソリンエンジンのフィットの方ということになる可能性があります。
それでもフィットハイブリッドは大人気です。
エコカーは、時代の追い風を受けた一種の“新兵器”なので、次はそれを買ってみよう・・・と思うのは、きわめて自然な消費行動なのです。
それが本当にエコかどうかは、非常に微妙だったりします。
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