トヨタ クラウンマジェスタ 試乗レポート

  • 筆者: 松下 宏
  • カメラマン:小宮岩男
トヨタ クラウンマジェスタ 試乗レポート
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安全装備も快適装備も充実の新型クラウンマジェスタ

セルシオが来年からレクサスブランドで販売されることになるため、トヨタブランドの最上級モデルになるのがクラウン・マジェスタだ。そのためもあって今回のフルモデルチェンジは大いに気合の入った開発が行われた。クラウンと同じプラットホームを採用しながら発売が半年も遅れたのは、いろいろな新機構・新装備の導入に時間がかかったためのようだ。基本プラットホームやホイールベースはクラウンと同様だが、ボディサイズはひと回り大きく。デザイン的にも堂々たるクルマという印象。搭載エンジンはV型8気筒のハイメカツインカムだが、排気量は従来の4Lから4.3Lに拡大され、206kw/430Nmを発生するようになった。さらにシーケンシャルモード付きの6速ATと組み合わされている。新機構・新装備では、プリクラッシュセーフティをはじめ、レーンキープアシストや低速追従モード付きのレーダークルーズコントロール、ナイトビュー、ニーボルダーなど、各種の安全装備が充実しているのがポイント。当然ながら快適装備の充実度も高い。

深い風格を感じさせるグリル、品質感・高級感あふれる運転席

新しいマジェスタの外観デザインではフロント回りが特徴的だ。ひとつには従来のモデルにあったクラウンの王冠エンブレムがなくなり、代わってトヨタマークのエンブレムが装着されている。このあたりはトヨタブランドのフラッグシップであることを意識した変更だろう。同時にグリル回りの造形は、彫りの深い風格を感じさせるものに仕上がった。リヤのコンビランプにはLEDが使われ、従来のモデルとは異なる雰囲気を演出している。また電動開閉式のトランクリッドが盛り上がった造形になっているのは、トランク容量の確保と、後退時の目印にするためだ。運転席に乗り込むと、品質感や高級感にあふれた空間が広がっている。本革シートはオプション設定だが、本革と木目を組み合わせたステアリングや木目パネルが自然素材ならではの質感を表現している。インパネの中央には大きな画面のカーナビが据えられ、各種スイッチ類もうまくまとめて配置されている。そのスイッチ類へのリーチや操作したときの節度感などはとても良くできていて、さすがにトヨタの高級車という印象だ。

クラウンから引き継がれた高い静粛性

新しいマジェスタに乗り込んでドアを閉めると、室内にはしんとした静かさが広がる。走行中の騒音レベルも極めて低く、エンジン音やロードノイズはわずかに入ってくるだけだ。こうした外界と遮断された感じの静粛性の高さは、クラウンが伝統としてきた部分であり、今回のマジェスタにもしっかり引き継がれている。走りの性能もさらに向上した。今回のモデルでは4.3Lに排気量アップされたV8エンジンが搭載されており、そのトルクの余裕が気持の良い走りを実現する。中低速域ではフレキシブルで滑らかな走りを実現し、いざアクセルを踏み込めば力強い加速を実現するV8エンジンは、正にトヨタのフラッグシップならではのものだ。新開発の6速 ATもショックの少ない滑らかな変速を実現すると同時に、市街地から郊外などでの中速域では余分な変速をすることがなく、なかなか良くできている。改良された電子制 御エアサスペンションは、乗り心地を重視した柔らかさながら、安定感も上々のレベル。コーナーではそれなりにロールするものの、不安を感じさせないので安心して走 り抜けて行ける。

新機能・新装備を手に入れたいユーザーには絶好の1台

新しいマジェスタで大きな特徴となるのは安全装備を中心にさまざまな新機構・新技術が採用されていることだ。今回の試乗では、富士スピードウェイ内の特設コースでレーダークルーズコントロールの低速追従モードとVDIMを試すことができた。尺取り虫のような走りを要求される渋滞時に、前のクルマとの間に一定の車間(正確には経過時間)を確保して走ったり止まったりする低速追従モードは、渋滞の多い大都市では特にうれしいもの。停止については、基本的にはドライバーのブレーキ操作を促す仕組みだが、ドライバーが操作しない場合には一時的にはクルマが自動的に停止する。時速30㎞くらいまで対応可能なので、首都高速の渋滞などでも極めて有効な使い勝手を実現するはずだ。もうひとつのVDIMも凄い。従来の発進を補助するTRC、制動時の挙動を安定させる ABS、横滑りを防ぐVSCを総合的に制御するもので、TRCやABSとVSCとの間に合った継ぎ目を滑らかなものにし、クルマの挙動が不安定になる前から少しずつ介入して安定性を高めるもの。これにはステアリングの制御も総合されており、世界のクルマの中でもっとも進んだシステムといえる。このほか、すでにGMが採用しているナイトビューを始め、プリクラッシュセーフティ、レーンキープアシスト、AFSなど、数々の安全装備が採用されている。その多くはオプションで、すべてを揃えると100万円近くに達するが、マジェスタならこうした新機構・新装備が手に入る。お金に余裕があり、最新かつ最高のクルマを手に入れたいというユーザーには、今度のクラウン・マジェスタは絶好の1台になるはずだ。

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松下 宏
筆者松下 宏

自動車そのものはもとよりクルマに関連する経済的な話題に詳しい自動車評論家。新車、中古車を含めてユーザーサイドに立った的確な購入アドバイスを語ることで定評がある。記事一覧を見る

MOTA編集部
監修者MOTA編集部

MOTA編集部は自動車に関する豊富な知識を持つ専門家チーム。ユーザーにとって価値のあるコンテンツ・サービスを提供することをモットーに、新型車の情報や、自動車の購入・売買のノウハウなど、自動車に関する情報を誰にでも分かりやすく解説できるように監修しています。

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