スバル アウトバック 試乗レポート

スバル アウトバック 試乗レポート
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世界統一モデル「アウトバック」

フロントスタイリングリアスタイリング

新型レガシィは03年5月に4ドアセダンとツーリングワゴンがフルチェンジして登場し た。その後、9月に3Lエンジンの上級モデルを追加した。

そして、10月にこの「アウトバック」が加わったことで、シリーズが完結した。

アウトバックは、旧型のランカスターに相当するモデル。レガシィシリーズは1995年に ノーマルのワゴンをベースに、車高を高くしワイルド感を演出した「グランドワゴン」を 投入、97年に「ランカスター」に改称した。しかし、海外向けは当初から「アウトバッ ク」だった。今回のフルチェンジで名称を世界統一にしたのだ。

新型アウトバックは平均地上高を200㎜とオフロード4WD車並みに高くしながら、全高は 1545㎜に抑えたのが特徴。スタイリングも従来より、ワイルド感を強調し、オフロードイ メージを強めている。

2種類の水平対向エンジン

エンジンインパネ

エンジンはスバルが得意とする水平対向エンジン。6気筒3LDOHC、24バルブが「3.0R」 用。4気筒2.5LSOHCは「2.5i」用に用意された。

3Lエンジンは可変バルブタイミングと可変バルブリフトを備え、自然給気で250ps/6600 回転、31.0kgm/4200回転の性能を発生する。排出ガスのクリーン度も超-低排出ガス(三 ツ星)を達成している。10・15モードは11.6km/L。3Lクラスの自然給気エンジンとしては トップクラスの燃費だ。

2.5Lエンジンも10・15モードは13.0km/Lで、超-低排出ガス認定を達成している。

ミッションは3Lモデルは新開発の5速ATスポーツシフトモード付。2.5Lは4速ATのスポー ツシフトモード付になる。

駆動方式はもちろんフルタイム4WD。3L車はセンターデフで前45:後55にトルク配分を 設定し、路面状況で可変制御する。このほかコーナーでの走行安定を制御するVDC(ビー クルダイナミクスコントロール)も3L車にオプション設定される。

世界でもトップレベルのオールグラウンドプレーヤー

フロントシートリアシート

ノーマルのツーリングワゴンよりも50㎜高くなったが、フロント、リアシートともに乗降性はあまり変わっていない。身長165㎝クラスの人で、やや高いかな、と感じるレベル だ。

着座位置はやや高め。視界がよい。フロントシートのヘッドレストはサイズが大きく、 後頭部へのフィット感が心地よいのも特徴だ。

ゲート式のATシフトをDレンジに入れてスタートする。水平対向の6気筒エンジンはV6や 直6エンジンとは違う軽快さで7000回転まで上昇する。

0→100km/h加速は一般公道でも7秒台とはやい。スポーツワゴンと呼べる実力だ。マ ニュアルシフトのMモードもスムーズ。これはオフロード走行での有効だった。そのオフ ロード走破性だが、200㎜の最低地上高とスバルの4WD技術は、斜面での安定感が抜群。世 界でもトップレベルのオールグラウンドプレーヤーといえる。

先駆者としての影響

フロントグリルテールランプ

初代アウトバック(日本名グランドレガシィ)が、世界の自動車メーカーに与えた影響 は大きい。アウディオールロードクワトロやボルボV70クロスカントリー(XC70)などの キッカケになっている。

先駆車としてアウトバックは走破性能をいっそう高めて登場した。

サスペンションなどに可変装置などを装備せずにいかに走破力を高めるかを徹底的に研 究したのだ。

その結果が新型アウトバックだ。4WD性能もトップレベル。クルマの品質感も向上し た。オフロードも走るという人には手頃な足として使える。

ステーションワゴンを生活のなかのファッションとして考えている人には、ノーマルの ツーリングワゴンよりも、アウトバックをすすめたい。そのほうが差別化での満足度が高 いからだ。ただし、オンロード中心で乗る人は、標準装着のオールウェザータイヤをオン ロード専用タイヤに代えることをすすめたい。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

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