NISSAN GT-Rセミナー「World of GT-R・・・3年後の姿」(3/3)

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NISSAN GT-Rセミナー「World of GT-R・・・3年後の姿」
GT-R開発責任者の水野和敏氏 立ち見も含め約350人が会場を訪れた 水野氏が考えるGT-Rを基軸とした新しい感動の創造 クラブトラックエディション。年間300万円で、年5回のサーキット走行や車両の保管、メンテナンスをパッケージ EGOISTでは、実際に作る姿も見せると言う 既存のオーナーにも最新仕様のパーツを提供するバージョンアップキット 定期的なメンテナンスもあって、中古車残価率で欧州メーカーの認定中古車に負けないレベルを確保 GT-Rでは、まずリアタイヤのグリップ力が決まり、それに見合ったフロントのグリップを確保するためにエンジンが決められたと言う 燃焼温度を高めることで効率をアップ。10・15モードよりJC08モード燃費のが良くなったと言う 空力もエンジンルーム全体をバキューム状態にすることで、空気抵抗とダウンフォースを両立 日産 GT-R EGOIST 画像ギャラリーはこちら

効率を突き詰めた結果としての「530PS」

日産 GT-R EGOIST

GT-Rは年に一度点検を行う必要がある。

これについて「当初は暴挙だと言われたが、実際にGT-Rに搭載された走行記録装置を見ると、ドイツのお客さんの中にはアウトバーンを300km/hで15分とか20分連続して、日常的に走っている人がいる」と言う。

「富士スピードウェイでもレーシングカーで300km/h出るのは700m程度。でもGT-Rは300km/hでずっと走れてしまうクルマ。だから1年に1回はアライメントテストをしないといけない。さらに、そういったメンテナンスを皆さんがしてくれるおかげで、中古車の残価率(新車価格と比べた中古価格の比率)は日本でトップクラスを維持している」とした。

水野氏の話は、クルマの設計思想にも及んだ。「最近ではすぐ電子装置に話が行くが、電子装置は所詮制御、起こった後の対処でしかない。もっと大事なのは制御の入る前のベースのグリップ力をどれだけ出せているかだ」と言う。

グリップを生むにはタイヤ自体の性能の他に、空力、慣性力、重さの3つの力しかなく、GT-Rでは独立型トランスアクセルの重さをグリップにつなげているのだとした。これにより、リアタイヤのグリップが決まり、そこからフロントタイヤに必要なグリップが決められ、そのために必要なフロントの重さが決まり、そこで初めてエンジンが決まるのだと言う。

今回のマイナーチェンジで、エンジンが530PSに出力アップしているが、これも「530PSというのは結果でしかなく、突き詰めたのは効率だ」と述べた。

燃焼温度を高めることで効率をアップ。10・15モードよりJC08モード燃費のが良くなったと言う

具体的には燃焼温度を上げたとのこと。一般的なクルマの燃焼温度が800~850度程度のところ、GT-Rでは従来モデルで1060度で燃やしていた。今回のMCでは1100度を超したと言う。これにより環境性能も向上しながら出力も向上している。

また、フリクションも徹底的に低減し「1.7tもあるが暖まれば片手で押せるほど」とのこと。水野氏は燃費とパワー、空気抵抗とダウンフォースなど矛盾すると思われるものも、本質を見れば本当は両立する。クルマはもっと進化すべきだとした。

最後に、ニュルブルクリンクでのテストについて話題が及んだ。

水野氏は「ニュルブルクリンクで走るのはタイムアタックをしてるのではなくタイム計測をしている。タイム計測をしてお客さんに今年のイヤーモデルのスペックはこれだと伝えている」のだと言う。

テストは毎年4月と9月に行っているが、この9月に行うのが重要で、このとき出したデータを元にサスペンションの仕様からエンジンセッティングまでを市販車に反映し、11月の発売に間に合わせるのだとのこと。

「ニュルを8分で走るのなら、多少シートに遊びがあっても平気だが、7分24秒で走るにはそれじゃいけない。だからタイムを公表する。クラブトラックエディションで7分24秒を出しても、スタンダードモデルが8分でしか走れないのでは意味がない。タイム計測したその仕様が、今年のイヤーモデルになる。それがニュルブルクリンクの役目だと思う」とした。

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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