年末年始に観たくなる、おすすめクルマ映画3選!|自動車ライター・小鮒康一編
- 筆者: 小鮒 康一
クルマ好きなら見ておきたい!クルマが大活躍する映画
慌ただしい日常を離れてまったりできる年末年始。そんなときにぜひ見て頂きたいクルマ映画を3本ご紹介したい。どの映画も真剣にストーリーを追わなくても、クルマ好きであればクルマが登場するシーンを見ているだけでも充分楽しめるものばかり。クルマ好き仲間と集まってワイワイ見るもよし、コタツでおとそを飲みながらぼんやり見るもよしの名作揃いだ。
TAXi(1998年・フランス)
我々にリュック・ベッソン=カーアクションというイメージを強く埋め込んだのがTAXiシリーズだ。同氏は2003年にはマツダ・アテンザ(初代)のプロモーションムービー「RUSH」の制作も請け負っていたことを覚えている方も多いのではないだろうか?
TAXiに話を戻すと、主人公はサミー・ナセリ演じるタクシードライバーのダニエルと、フレデリック・ディーファンタル演じる運転センスゼロの警察官・エミリアンの2人。本来であれば犬猿の仲であるタクシードライバーと警察官だが、その卓越したドライビングテクニックにより、警察の手伝いをすることになる。
そんなダニエルの愛車はホワイトのプジョー 406。普段は普通のタクシーだが、ボタン一つでBTCC仕様を思わせるレーシングカー風に変貌するというもの。エンジンサウンドもチューニングカーのそれになるが、深く考えてはいけない。そもそもボタン一つでレーシングカーになる時点で非現実的なのだから。
なお、ダニエルが協力するマルセイユ警察はとことん無能に描かれており、パトカーはガンガンクラッシュするし、署長のジベールは前に出れば出るほど失敗するトラブルメーカー。しかし、どれも憎めないキャラクターとで、作品のよいアクセントとなっている。
今作ではマルセイユ市内で連続強盗事件を起こすドイツの強盗団「メルセデス」を追うという展開だが、相手はその名の通りメルセデス・ベンツ 500Eを3台使用しており、大柄なセダン同士のカーチェイスシーンは迫力満点。見れば500Eが欲しくなること請け合いだ。
ちなみに劇中のカーアクションは、往年の名ラリードライバーであるジャン・ラニョッティが務めており、それを意識して見ることで豪快なラリーフェイントなどの感動もひとしおと言えるだろう。
トランスポーター(2003年・フランス/アメリカ)
ジェイソン・ステイサムの出世作のひとつであるのが、このトランスポーターシリーズ。現在は出演者を一新して「再起動」させたシリーズがスタートしているが、今でもトランスポーターはジェイソン・ステイサムのイメージが強いのはわたしだけではないだろう。制作・脚本は前述のTAXiシリーズでもお馴染みのリュック・ベッソンであり、プジョーに乗る地元警察がおちょくられたり、劇中で止めたタクシーがプジョー 406セダンだったりと、ニヤリとさせられる演出もちりばめられている。
ジェイソン・ステイサム演じるフランク・マーティンは元軍人で、恩給でのんびりとした生活を送っている……というのは表向きで、実は凄腕の運び屋(トランスポーター)として依頼されたものを時間厳守で目的地まで運ぶ毎日。彼は、「契約の変更はしない」、「相手の名前は聞かない」、「依頼品は開けない」の3つのルールを自らに課していた。
そんな彼の愛車は1999年式の黒いBMW 735i。希少な3ペダルMT仕様で、グレードを表すエンブレムが外されてアルミホイールが交換されている以外は「どこにでもいる仕様」(本人談)だが、サスペンションがビルシュタイン製のものになっているのは運び屋のこだわりだろう。なお、実際に撮影に使用された車両は850CSiに搭載されたV12エンジンと6速MTが換装されたワンオフモデルが使用されているそうだ。
BMW以外の登場車種もリュック・ベッソンらしい車種選定が行われており、敵のアジトか脱出するときに拝借した車両はメルセデス・ベンツ Sクラス(W140)だし、よき理解者でもあるタルコニ警部の愛車はボロボロのサーブ 900の2ドアセダン。後半に相手のトレーラーを追いかけるときに使うのは、くたびれた初代ルノー 5(連続全開走行で最後はエンジンブロー)というマニアがニヤリとしてしまうものだ。
なお、フランクの愛車である735iは物語の中盤で爆破されてしまう。劇中で彼は「また新車を買う」といっているが、次期愛車はBMWではなく、アウディ A8であった(トランスポーター2より)。
デッドヒート(1995年・香港)
ジャッキー・チェンと言えば三菱自動車のイメージが強いが、その真骨頂とも言えるのが1995年に公開された「デッドヒート」だろう。冒頭から日本の三菱の岡崎工場内の研修センターで研修を行うジャッキーの映像が延々と続き、まるで三菱の研修プロモーションビデオかと錯覚するほどだ。
研修を終えたジャッキーは香港に戻り、実家の修理工場を手伝いながら、違法改造車の検問に協力をする(このシーンでノーマルキャリパーの80スープラをブレーキ交換車として摘発している)のだが、そこに現れたR32スカイラインGT-R(という設定だが、どう見てもノーマルフェンダー)が警官をひき逃げし、その犯人をカーチェイスの末に捕まえる。
しかし犯人は脱獄し、復讐のためにジャッキーの修理工場を襲って妹を人質に取り「仙台に来い!」と、仙台で行われるレースへ来るように促すのだが、なぜそこでレース参戦を促すのかを疑問に思ってはいけない。
日本に来たジャッキーは、パチンコ屋の奥にサウナがある珍妙な店舗でお約束のアクションシーンをこなした後、レースに参戦すべく香港で組み上げたランエボ3と共に、今は亡き仙台ハイランドへ向かう。そこでチーム監督の加山雄三演じる村山が掲げた目標タイムを何とかクリアし、本戦に進む……と思った瞬間にピットロードから出てきた他車と交錯し、まさかの横転爆発炎上。
愛車を失い失意のジャッキーの前に現れたのは「令嬢」と呼ばれる女性。なんの令嬢かは語られないが、グループAのGTOを軽々と用意し、仙台ハイランドにコンセプトカーであるHSR-3で乗り付けているくらいだから三菱関連会社の令嬢だろう。そんな令嬢から、ドアに手を挟んでしまったお詫び(冒頭に当該シーンがある)として、GTOをワークス体制で供給を受けるというミラクルな展開。
なんとかレース本戦に出走することが叶ったジャッキーは、件の犯人が駆るR32スカイラインGT-Rとデッドヒートを繰り広げる。このシーンがこの映画の全てが凝縮されているといっても過言ではないのだが、笑ってしまうほどのクラッシュの連続。ウェット路面だったのに急にドライになったり、いきなりプロトンのレースカーが登場したり(大きなクラッシュシーンはマレーシアで撮影したらしい)、明らかな早回しが行われていたりと、見どころが満載なのだ。これはぜひ皆さんの目で確かめてもらいたい名シーンである。
以上3本を独断と偏見で選ばせていただいたが、いかがだっただろうか。どれもすでに旧作であるから、安くレンタルできるはず。過去に見たことがある人でも、再度見ることで新たな発見があるかもしれない。
[レポート:小鮒 康一]
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