パガーニ ウアイラ 海外試乗レポート/西川淳(1/2)
- 筆者: 西川 淳
数多くのメーカー&レーシングマニュファクチュラーが頼ってきた
まずは、パガーニ・アウトモビリ社の話から始めたほうがいいだろう。
創始者のホラチオ・パガーニはアルゼンチン出身のデザイナー兼エンジニアである。1955年生まれというから、現在58歳。今から30年前、彼は“自分のクルマを作る”という夢を叶えるため、イタリアはモデナにやってきた。
モデナ周辺といえば、フェラーリやランボルギーニ、マセラティといったイタリアの名門が生まれ育った、言わばスポーツカーにとっての“約束の地”。FRPの使い手であり、デザイナー、そしてエンジニアとしても才能に恵まれた彼はそこでランボルギーニ社に職を得る(最初の仕事は工場のモップ掛けだったという)。クンタッチ(カウンタック)25thアニバーサリーは、彼の作品だ。
1991年、カーボンファイバーコンポジット(CFRP)時代の到来を見越したホラチオは自身のスタジオ、「モデナ・デザイン」を設立。ランボルギーニはもとより、フェラーリ、ルノー、日産、スズキ、ダイハツ、ダラーラ、アプリリアといった数多くのメーカー&レーシングマニュファクチュラーが、彼のCFRP技術を頼ってきた。
そして1993年、ついに夢の実現に着手。1999年のジュネーブショーにて、パガーニ・「ゾンダC12」がデビューした。
メルセデスAMGからエンジン供給を受けたミドシップスーパーカーの「ゾンダ」は、その後、毎年のように進化を果たし、累計百台以上を世に送り出すに至る。パガーニは、名実共に、21世紀のスーパーカーメーカーとして、今、着実に歩み始めているのだ。
“パガーニ伝説 第2章の主役”
今回紹介する「ウアイラ」は、「ゾンダ」の後を継ぐパガーニの最新作、つまりは“パガーニ伝説 第2章の主役”というわけだった。
開発期間は5年以上を要した。もちろん、小さな所帯ゆえのスパンとも言えるが、そこには、“チーフデザイナー”ホラチオの、新型車への並々ならぬ思い入れがあったこともまた事実である。
「ゾンダ」を上回るパフォーマンスはもちろんのこと、さらなる機能美の追究、芸術性への昇華、生産性の向上、などといった、それまでとはまったく違う次元での試みの数々が、「ウアイラ」開発のベースにはある。
それゆえ、「ウアイラ」にゾンダと共通するパーツはほとんどないと言っていい。
サスペンション構造や2ペダルトランスミッションシステムなど、ゾンダRをプロトタイプとした形跡こそ見受けられるが、ボディデザインはもちろん、特徴的なガルウィングドア、カーボンチタンのモノコックボディ、そしてパワートレインに至るまで仕様はまるで別モノ!)を搭載した。組み合わされるミッションは、「ゾンダR」と同様にXトラック社製の2ペダルMTの進化版。
デュアルクラッチシステムの搭載も検討されたようだが、強大なトルクを受け止めるためにはデュアルミッションにするだけで成人男性一人分の重量をリアオーバーハングに増やさなければならなくなり、結果得られるパフォーマンスの向上と相殺される、という結論だったらしい。
パガーニは、あくまでも、その走りの性能を最優先しているのだ。
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