トヨタ ヴォクシー 試乗レポート
- 筆者: 日下部 保雄
- カメラマン:原田淳
ミニバンとしての完成度がさらに向上
ミニバンはすっかり日本に定着してその種類も驚くほど多い。中でも激戦区なのがセレナ、ステップワゴンなど強豪が揃っている5ナンバーミニバンだ、そんな中でヴォクシー/ノアはトータル台数ではズーっと1万台/月以上を売り上げているベストセラーで、実質的にこのクラスのナンバー1だ。
ヴォクシーは兄弟車であるノアと同時に登場したモデルで、ネッツ店での扱いとなる。ネッツ店は若いユーザー層をターゲットにしており、コンサバティブなノアとはエクステリアが異なった若々しいスタイルが特徴だ。
5年半ぶりのベストセラーのフルチェンジは従来モデルで出来なかったところを徹底して潰していったもので、ミニバンとしての完成度はさらに高くなった。新しい技術ではエンジンの可変バルブリフトのバルブマチックが注目される。
力強く、若々しいデザインが特徴
一目でヴォクシーと分かるデザインはシンプルな面とダイナミックなカットが特徴で、デザイン的にも若々しい。ノアとのデザイン上の大きな違いはヘッドランプとウィンカーを分けたことで、力強さを表現している。また、さらにエクステリアには標準とエアロの2種類があり、エアロは前後のバンパーとサイドフレア、リアスポイラーが装着されてスポーティさを強調する。
ヴォクシーには3列シートの7人乗りと8人乗り、それに2列シート5人乗りがあり、バリエーションは豊富だ。3列目シートはワンタッチで横に跳ね上げられる画期的なもので、女性にも簡単に畳めることが出来る。さらに車種によっては2列目シートが外に向かって回転し、小さい子供を簡単にチャイルドシートに座らせることが出来るモードもあり、さらにステップを下げたことで乗降性は良くなっている。
インテリアの質感はトヨタらしく丁寧で、飽きのこないまとまったデザインで、好感がもてる。
ますます隙のないミニバンになった
注目の可変バルブリフト(モーター作動)のバルブマチックはパワー追求型のものではなく、経済性を重視したもので、燃費優秀なコンベンショナルタイプのエンジンと比較しても試乗中の燃費は良かった。可変バルブリフトだけではなく、可変バルブタイミング(こちらは油圧)、CVTなどを組み合わせた燃費技術の成果である。パワー的には中間域のトルクが上がっていたのが印象的だがその差は僅かだ。
シャシーはキャリーオーバーだが各部を補強しており、走りのしっかり感はかなり上がった。もともとヴォクシーはミニバンの見本のようなクルマだったが、さらに煮詰めた新型はがっちりした印象を受ける。静粛性の向上、ダンピングの向上などは目覚しいものがあるが、逆に路面のアンジュレーションに対しては敏感で、僅かにハンドルを取られる場面があり、突き上げも若干強めだ。もう少しゆるくてもよいのではないかと思う。
ヴォクシーはモデルチェンジでますます隙のないミニバンになった。ソツのないクルマヅクリはさすがにトヨタだ。
バルブマチック搭載のZSがおすすめ
シャシーはキャリーオーバーとはいえ、必要な改造箇所はバッサリと手を入れているので、使い勝手はかなり良くなっている。ドライバー目線からの視界の向上、乗り心地、乗降性の向上、後席を視野に入れておくことが出来る小型ワイドミラーの標準装備、3列目のワンタッチサイドアップや大きくなったシートなどなど・・・これらの標準装備に加えて、小さな子供がいる家庭は2列目のロングスライドマルチ回転シートは是非お勧めだ。容易にチャイルドシートに座らせることが出来る。
さらに姿勢安定制御装置のS-VSCはマストと考えて、メーカーオプションを考えるとよいと思う。
注目のバルブマチックは上級グレードのZSに設定されているがCO2削減という大命題を考えると気になるメカで、ZSをベースにオプションを設定していきたい。距離はそれほど・・・と言うユーザーはXのLエディションをベースに安全装備を追加してもよいだろう。
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