三菱 ミラージュ(タイ仕様)・トライトン・パジェロスポーツ 海外試乗レポート/松下宏(2/2)
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:三菱自動車工業(株)/松下宏
マニュアル車を中心に売れている「三菱 トライトン」
タイは、1トン級のピックアップトラックが大きなウエイトを占める市場である。
最近のバンコク市内ではトラックの荷台に何人もの人が乗って移動するシーンを見かけなくなったが、数年前まではそれが当たり前だった。今でも地方に行けば、取り敢えずピックアップトラックからという市場である。
こうした市場環境を背景に、日米の自動車メーカー各社はタイでピックアップトラックを生産し、販売している。三菱はフルモデルチェンジでトライトンに変わる前のストラーダの時代から、ピックアップトラックの生産をタイに集約し、タイから世界に供給する仕組みを作ってきた。トライトンは日本にも輸入された時期があったが、今は輸入されていない。
トライトンの試乗車は2.4リッターのガソリンエンジンを搭載したシングルキャブ仕様と、2.5リッターのディーゼルターボを搭載したとダブルキャブの仕様の2モデルに試乗した。
2.4リッターのガソリンを搭載したモデルはマニュアル車。
トラック用のマニュアルなのでストロークが大きめで、特に好印象ではなかったが、タイでは当然ながらマニュアル車が中心として売れている。試乗は荷台に何も積んでいない状態だったので、2.4リッターのガソリンエンジンでも十分に良く走る印象だった。
そして、それ以上に良く走ったのが2.5リッターのディーゼルエンジン搭載車だ。こちらはAT車だったが、コモンレール直噴ディーゼルターボ仕様のエンジンが搭載されていた。ディーゼル車ならではのトルク感のある走りで、ガソリン車よりも走りは力強い。
振動や騒音はあるものの、タイでもガソリン代(1L=150円弱)よりも軽油代(1L=100円弱)のほうが安いため、燃料価格を考えたらディーゼル車のほうが良く売れるのは当然だろう。
トライトンの価格は、ミラージュとオーバーラップするような水準にあるので、地方のユーザーなどはどちらにするかで迷うケースも見られるようだ。
ピックアップトラックからSUVへ人気が移行「三菱 パジェロスポーツ」
パジェロスポーツはトライトンのプラットフォームをベースに作られたSUVで、ASEANなどの新興国を中心に販売されている。
タイではピックアップトラック大手のいすゞが“ミュー7”という名前でSUVを設定しているほか、トヨタIMVの中にSUVが設定されるなど、各社からトラックベースのSUVが発売されている。
道路事情の良くない地域がまだまだ多いので、トラック系シャシーの頑丈なクルマが求められる傾向があるほか、3列シート車として作られており多人数乗車が可能なことも、トラックベースのSUVが人気を集める理由の一つだ。トラックの荷台に乗るのに比べれば、車内のシートに座ったほうが快適に移動できる。
タイではかつて、ピックアップトラックの荷台部分に樹脂製のルーフとシートを設ける架装メーカーが何社もあったが、今年のバンコクモーターショーにはそうしたメーカーが出展していなかった。メーカー純正のSUVに需要が移っているのだろう。
パジェロスポーツの試乗車は、2.5リッターのディーゼルエンジン搭載車とV型6気筒3リッターエンジン搭載車が用意されていたので、これも両方の仕様へ試乗した。
2.5リッターディーゼル車はトライトン用と同じコモンレール直噴ディーゼルターボで、ぐんと重くなるパジェロスポーツのボディに対しても余裕十分。
さらに、V型6気筒の3リッターエンジンを搭載したモデルはそれ以上に良く走った。
今回のように発進や停止を繰り返すコース設定では、ガソリンエンジンのほうが立ち上がりが良いので、余計に良く走る印象になる。V6ガソリン車ならではのスムーズな吹け上がりと回したときのパワーフィールなど、ガソリン車のほうが気持ち良く走れる。振動や騒音のレベルがディーゼルとは異なることも、気持ち良く走れた理由の一つだ。
試乗を終えて
ショー開幕後は、試乗会場も大賑わいになる。
駐車場を使った簡易試乗コースながら、フル加速での発進からフルブレーキング、パイロンスラロームにダブルブレーンチェンジなど様々な動作が試せるハードなコース設定で、車種によっては最高速が100km/hを越えるようなコースもある。
東京モーターショーでも試乗ができるような試みがなされているが、ここまで大胆なコースでユーザーに自由に走らせる設定ではない。タイならではの大らかさが感じられた試乗会だった。
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