三菱 ミラージュ(タイ仕様)・トライトン・パジェロスポーツ 海外試乗レポート/松下宏(1/2)

  • 筆者: 松下 宏
  • カメラマン:三菱自動車工業(株)/松下宏
三菱 ミラージュ(タイ仕様)・トライトン・パジェロスポーツ 海外試乗レポート/松下宏
三菱 ミラージュ(手前)と三菱 パジェロスポーツ(奥) 三菱 ミラージュ 三菱 ミラージュ 三菱 ミラージュ 三菱 ミラージュ 三菱 ミラージュ 三菱 ミラージュ特別仕様車 三菱 ミラージュ特別仕様車 三菱 ミラージュ特別仕様車 三菱 ミラージュ特別仕様車 三菱 トライトン 画像ギャラリーはこちら

バンコクモーターショー2013に合わせ、タイで販売される三菱車に試乗!

バンコクモーターショー2013の三菱ブース

バンコクモーターショーはクルマを見せるショーであるだけでなく、クルマを販売するセールスショーでもあることは、先日掲載した「バンコクモーターショー2013 レポート/松下宏」で述べた。

バンコクモーターショーでは、2週間ほどの会期中に6万台もの受注を集めるが、ショー会場で実際に注文するユーザーの中には「試乗した上で購入を決めたい」というユーザーもやはり多い。その為、バンコクモーターショー2013では試乗を希望するユーザーを考慮して、会場に隣接した大駐車場に試乗可能なコースが特別に設けられている。

大駐車場にはモーターショーに出展するメーカー各社がテントを構えており、試乗を希望するユーザーは次々と購入希望車種をテストできるという仕組みだ。

そして、一般公開日を前に三菱自動車がこの仮設試乗コースを使って、日本からのメディア関係者向けの試乗会を開催した。タイで販売されている現地仕様の三菱車「ミラージュ」「トライトン」「パジェロスポーツ」3車種の試乗レポートを以下にお届けしたい。

タイで人気を誇る「三菱 ミラージュ」(タイ仕様)

三菱 ミラージュ三菱 ミラージュ

タイでは、一定以内の排気量で一定の燃費を達成したクルマを“エコカー”として認定し、エコカーを生産するメーカーに対しては「法人税の減税」を、また購入ユーザーには「補助金」を支給する制度が設けられた。

この“エコカー”制度は言ってみれば日本における軽自動車制度のようなもので、タイ政府はCO2の発生を抑制するために低燃費車の普及を後押ししている。補助金は昨年12月で終了したが、最大で10万バーツ(約32万円)と多額の補助金が得られるため、そろそろクルマをと思っていた多くのユーザーが昨年12月末までに駆け込み購入し、自動車販売が大きく盛り上がった。

日本車では、ミラージュのほかに日産 マーチやスズキ スイフト、ホンダ ブリオなどがエコカーとして認定されている。そして、その中でも最も良く売れたのが「ミラージュ」だ。ミラージュの試乗では、CVT車とマニュアル車、発売1周年を記念して設定された特別仕様車のブルームエディションの3台に試乗した。

三菱 ミラージュ

タイ仕様のミラージュは、日本と異なり1.2リッターエンジンが搭載されている。

日本は燃費でトップを目指したため排気量は1リッター仕様のみだが、タイやヨーロッパ向けには1.2リッターエンジン搭載車が販売されているのだ。なので、発進からの加速の良さはもちろん日本のミラージュを超え、排気量分だけトルクは太く加速は力強い。

バンコク市内では、都市高速の追い越し車線をカッ飛ばしていくミラージュを見かけることがあったが、タイのミラージュはそうした実力を持っている。その実力はビギナーユーザーが乗るエントリーカーとしては十分で、最低38万バーツからという比較的手頃な価格設定もあって、良く売れるのもうなずける走りであった。

三菱 ミラージュ
三菱 ミラージュ特別仕様車三菱 ミラージュ特別仕様車

足回りについては、パイロンスラロームやダブルレーンチェンジなどを試すと大きなロールが出て、相変わらずかなり柔らかめの印象。個人的にはフロントスタビライザーを装着するなどして、もっと安定感のある走りにして欲しいのだが、タイではあまり道路事情も良くなく、ある程度柔らかめの乗り心地が好まれるようだ。

大きめのロールは出るもののリヤは踏ん張ってくれるので、安定性がスポイルされることはなかった。

このコースでは昨年も同じようにミラージュに試乗しているが、今回はそのときよりも安定感が高まった印象を受けた。

仕様は何も変わっていないとのことなので個体差か、昨年のクルマが生産試作車で今年のクルマが生産開始から1年経過したクルマということが関係しているのかも知れない。

また、ミラージュのマニュアル車については、それなりの楽しさがある。

当然日本にも、という話もあるだろうが、今どきのマニュアル車はなかなか燃費でCVT車に勝てないし、そもそも日本ではマニュアル車の免許を持っているユーザーが少なくなっているので、導入はこのあたりが難しいところだ。

ピンクの専用カラーをまとった特別仕様車のブルームエディションは、インテリアも専用のシート地や本革巻きステアリングホイールを採用するなど、標準車との差別化が図られていた。

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松下 宏
筆者松下 宏

自動車そのものはもとよりクルマに関連する経済的な話題に詳しい自動車評論家。新車、中古車を含めてユーザーサイドに立った的確な購入アドバイスを語ることで定評がある。記事一覧を見る

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