レクサス 新型RX(4代目)がNYオートショー2015でワールドプレミア/九島辰也
- 筆者: 九島 辰也
SUV旋風は吹き止まない…どころか、さらに強さを増している気がする。今年はじめのデトロイトモーターショーもそうであったし、4月1日のプレスデーに訪れたニューヨークオートショーもそうだった。特にプレミアムカテゴリーはその傾向が強い。
ここにひとつのデータがある。3月30日付けのオートモーティブニュースに載っていたものだ。
そこには1992年と2014年のメルセデス・ベンツ/BMW/レクサスのアメリカにおける販売台数が記してある。それぞれ、メルセデス6万3312台、BMW6万5691台、レクサス9万2890台だった1992年が、昨年はすべて30万台を超えているというものだ。まさにここ10余年を物語っている数字だろう。
しかも言い方がおもしろい。
“before SUVs and now”
SUV誕生以前と以後といったところだ。
そんなRXの新型が発表されるのだからアメリカメディアは放っとかない。多くの取材陣がアンベールの瞬間を見るため駆けつけた。レクサスもそれは事前にわかっていて、展示ブースとは異なる場所が用意された。広さのあるプレゼンテーション会場だ。
新型RXのスタイリングは言ってしまえば正常進化である。昨今のレクサス顔、スピンドルグリルは目立つものの大きな路線変更はない。そりゃそうだ。売れているクルマに下手に手を入れてもしょうがない。そこはブラッシュアップにとどめるのが賢いやり方と言える。
といいながらもホイールベースは50mm長くなり、ホイールを20インチへとアップしている。そのため見た目にボリューム感が強まった。きっとこの辺はNXの投入が関係しているに違いない。ひとつ下のコンパクトサイズが充実すれば、RXはもっと思い切ったことができるからだ。リアクォーターピラーなどはそのひとつだろう。シャープな印象を持たすそこに遊び心も感じた。
この他ではフルLEDを用いたヘッドライトや、側面までまわりこんだリアのテールライトが目を惹く。切れ長が鋭く、かっこいい。NXもそうだが、最近のレクサスはLEDの使い方がうまい。デザインの自由度を含め、ここで新型の新鮮さをアピールする。
インテリアはディスプレイを見てわかるように新世代となる。モニターは大きくなり操作性も上がる。また、リリースによると今回はリアシートが充実しているらしい。レッグスペースが拡大されたばかりか、シートヒーターや電動リクライニング機能も装備されるというから楽しみだ。
パワートレーンは3.5リッターV6ガソリンエンジンと同排気量のアトキンソンサイクルエンジン&高トルクモーターを組み合わせたハイブリッドがある。モデル名で言えば、「RX350」と「RX450h」。このあたりに変更はない。グレードもスタンダードとバージョンL、Fスポーツとなりそうだと耳にした。Fスポーツには電動アクティブスタビライザーが付く。フラットなコーナリングをサポートするものだ。
走りに関しては、ボディ剛性の向上にともなう乗り心地のよさとリアシートの振動低減などが謳われている。まあ、その辺は実際に走らせてみないことにはなんとも言えない。ただNXのクイックなステアリング反応と旋回性能の高さを鑑みると、期待は膨らむ。果たしてその走りは…。
そんな新型RX。国際試乗会でのロードインプレッションをお届けできるのは8月の終わり。そして日本上陸は秋頃となりそうだ。
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