脇阪寿一選手/今井優杏の「あなたの愛車教えてください!」(3/3)

脇阪寿一選手/今井優杏の「あなたの愛車教えてください!」
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86が発売されたことは、レース界にとってもチャンス。レーシングドライバーとしてこのチャンスを生かしていきたい

でも今はまた違った目でクルマを見られるようになったから、スポーツカーに乗りたいねぇ。

以前ポルシェを長期貸与してもらったことがあるねんけど、それ以来スポーツカーがものすごく欲しくなった。実は新しいポルシェを狙ってんねん。

―先日日本でも発表された991ですね!

そう、アレを何とか手に入れようかと(笑)。黄色の。

―めっちゃ目立ちそう!しかも似合いそう!

どうしても欲しいねん(笑)

―どこに魅力を感じましたか?

ヒップラインがいいね!あと、ちょっと大きくなったでしょ?それがいいねぇ。黄色だねぇ。カレラSだねぇ。

―そこまで決まってるんですね!

ターボでもエエねんけど、問題はウイングの形がどんな風になるかによる。まだ写真を見てないからなんとも言えないんやけど、ターボって時折変なウイングを付けて来よるやんか。僕、前の型のウイングの形はあんまり好きやないねん。「ポルシェはターボでしょ!」ってみんな言うねんけど、カッコ悪いわ高いわやったら、僕はカレラSの方がいいね。黄色ね。

―何回黄色って言うんですか(笑)。ポルシェを欲しいと思われたのも、ひょっとしたらニュル24時間レースがきっかけですか?

そうやね、トヨタもニュルで新車のテストをしているけど、あの場所に行ってポルシェやベンツやBMWがニュルのコースを使ってクルマを開発している様を見ていると、彼らが作っているクルマにはちゃんと味があってね。それを肌で感じることが出来た。

メーカーが命をかけて世界中のユーザーのために作ってるわけだから、コレを日本の道で乗ったらどうなんだろうって知りたくなったね。それを知ることによって、またトヨタのクルマがニュルで開発をするときにもよりクルマを深く知ることが出来るかな、と思って。

―なるほど。脇阪選手は現在も開発などには携わられていますが、その開発にフィードバックをするという意味でもスポーツカーに興味が沸いたという感じでしょうか。

いやいや、開発とは全然関係ない。単に自分の素養として知っておきたいねん。自分の感覚、自分の興味の部分やね。だからギャンギャンのスポーツカーではなく、あくまでも街乗りが出来るスポーツカーが理想やねん。

―まさに“クルマ好き”に回帰されたんですね!

若い頃はGT-Rに乗ったりとかしてたんやけどね。トヨタにしばらくスポーツカーがなかったし、自然と気持ちがスポーツカーから離れていたんやけど。

―では今、86が出たりしたことが寿一さんのスポーツカー好きに拍車をかける働きになりましたか?

いや、それはね、あとから付いて来た。やっと時代がオレについて来た。

―ものすごいドヤ顔じゃないですか!(笑)

っていうのは冗談で、僕が興味を持ち出した頃にはもうすでに開発は始まってたはずやから、メーカー側も危惧というか、なにか使命感があったんじゃないかな。なにより86が出ることによって、全国のディーラーでレーシングドライバーをゲストにしたイベントが行われて、レースファンがディーラーに行く。

そのファン層は確実にユーザー層やん?こういうマーケティングに直結したイベントが多く行われるっていうのは、クルマ産業にとってもレース界にとっても素晴らしい、大切なことやと思う。こういうチャンスを生かして、レーシングドライバーとしてやれることをしっかりやって行きたい。

だからスポーツカーになるべくたくさん乗って、もっともっとクルマの事を知って、知識を身につけて行きたいなと思ってんねん。

今井優杏の「取材後記」

今年のレースに関して、開幕前から気合十分の脇阪選手(取材は開幕直前に行われました)。今年は実感としてメディアからの注目も高く、周囲からの期待を強く感じているそう。

「ちなみに今年のレクサス勢は期待できるでしょうか?」と聞いたところ、「モノコックを一新するNISSANはもちろん、まだ新しいHSVのHONDAに比べて今年も苦戦が予想されるやろうね」と渋い返事。

しかし脇阪選手がドライブするTEAM SARDが装着するのはミシュランタイヤ。セッティングが当たればものすごいパフォーマンスを見せるということは、2011年シーズンの結果を見ても明らかです。表彰台で男泣きする脇阪寿一、見てみたいですよね。

さらに貪欲に活動されるということ、今年もトークショーなど、ファンサービスからも目が離せません。

脇阪寿一選手オフィシャルHP

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

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