水害にも強い!超小型電気自動車、EVベンチャーFOMM社から~3月のバンコクショー2014に出展、タイで生産・販売へ~
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全長わずか2.5mの超小型サイズに大人4人が乗り込める!
超小型EV(電気自動車)ベンチャー企業の株式会社 FOMM(フォム)は2月19日、2014年3月末より開催のタイ・バンコクモーターショーへ出展するコンセプトカー『FOMM コンセプト One(フォム・コンセプト・ワン)』を都内で発表した。
FOMM コンセプト Oneは全長わずか2.5mのボディサイズながら、大人4人が乗車出来る超小型電気自動車。バンコクショー出展後、2015年秋以降にタイでの生産・販売を目指す。
株式会社 FOMMを立ち上げた鶴巻 日出夫社長は、トヨタグループのアラコ(現・トヨタ車体)で、1人乗り超小型EVの「コムス」を開発した人物。2012年にはEVベンチャー企業のSIM DRIVE社に移り、超小型EVの東南アジア展開企画などを手がけていた。
その後2013年2月にFOMM社を立ち上げ、わずか1年のスピードで今回FOMM コンセプト Oneを発表するに至っている。
FOMM コンセプト Oneは全長x全幅x全高:2495x1295x1550mm。4人乗りEVとしては世界最小クラスのボディサイズだ。急速なモータリゼーションの波が訪れる東南アジアだが、まだまだ自家用車はぜいたく品。FOMM社は30万バーツ(約100万円)以下の低価格で販売し普及させることを目指し、FOMM コンセプト Oneを設計した。
FFインホイールモーターユニットは独自開発で
FOMM コンセプト Oneは小型のインホイールモーター(電気モーターをホイールに内蔵する)を前輪左右に配置し、ダイレクトに駆動させることでスペース効率を高めた。インホイールモーターと聞くと、SIM DRIVEを思い出すEV事情通の方もいるかもしれないが、FOMM社の鶴巻社長によれば同社との技術的なつながりや提携などはなく、独自の開発だという。
さらにステアリングにアクセル・ブレーキなどを集約した2輪車(オートバイ)式の操作系としたことでペダル類を廃止。ペダルで干渉される分の足元スペースの分も含め、室内空間を極限まで広めることに成功した。
動力源として、2個のバッテリーを直列配置した1セットのカセット式バッテリーを最大3セットまで搭載出来る。その場合の航続可能距離は100km。バッテリーは1セットずつ消費され、次のセットへと自動切り替えする。またバッテリーのカセットは個別に取り外して非常用電源としても利用出来るようにした。もちろん家庭用電源での充電が可能となっている。
え! 万が一の水害のために「ボート」になります!?
先に記したように、FOMM コンセプト Oneは当初、タイでの生産・販売を目指している。そのため「耐水害性能」をうたっている点が興味深い。タイやインドネシアなど東南アジア圏では洪水などの水害が多発している。そのためFOMM コンセプト Oneには水を吸い込むホイール(ジェット水流発生装置)や、浮力を受けるボート構造の車体などにより、水害から回避することが出来るのだ。もちろん、あくまでも緊急時のためのエマージェンシー機能で、その後の保守も必要とする。水陸両用車というワケではないが、いざという時に頼りになることは間違いない。
もうひとつ、東南アジア特有の暑さ対策としてクーラーは必要不可欠。しかし電気を食うエアコンの使用はEVにとってはかなり厳しい条件となる。そこでFOMM コンセプト Oneでは蓄熱式簡易クーラーをオプションで用意する。これは充電時に蓄熱魔法瓶の中の冷媒を冷やし、走行時に熱交換器で冷風を放つ仕組み。短距離の移動ならこれで十分対処可能だと説明する。
日本市場への導入は「タイでの生産立ち上げ後に検討」
日本でも、国土交通省が軽自動車よりも小さい超小型モビリティ導入に向けた取り組みを発表し注目を集めており、昨年秋の東京モーターショー2013会場でも国内自動車メーカーなどからコンセプトカー等が提案されていた。
しかし株式会社 FOMMの鶴巻社長は記者会見の席で「ひとまずはタイでの立ち上げを図ってから」と話し、現時点では日本での展開については未定であることを明らかにした。とはいえ、日本発のベンチャー企業が創った超小型EVだけに、わが国での展開も期待せずにはいられない。まずはタイでの大成功を祈りつつ、日本の公道でもFOMMの電気自動車の走る日がやって来るのを、今から待ち望みたい!
[Photo&レポート:オートックワン編集部]
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