ダイハツ 次期「ミライース」、電子レンジの“アレ”を使って燃費40km/Lを狙う

ダイハツ ミライース(現行モデル)
ダイハツ ミライース(現行モデル)

ベストカー7月10日売り号のスクープ記事中、ダイハツの項に「電子レンジなどに使われる電磁波をエンジンの燃焼機構に使うことにより画期的な燃焼効率アップ。次期型ミライースに搭載しJC08モード燃費40km/Lを狙う」という記事が出ている。

これを読んだ人の多くは「なんだ?」と、なったハズ。説明無しじゃ解りませんね。

「いつもの通りデタラメだろう」という人まで居る。

ベストカーといえば私の古巣。そもそも「いつもの通り」とは失礼千番!ベストカーのスクープ情報、天気予報よりずっと当たる。ここは引き取って紹介してみたい。

ダイハツ ミライース(現行モデル)
ダイハツ ミライース(現行モデル)ベストカー7/10号

まず「電磁波を燃焼機構に使う」ということだけれど、そんなこと出来るのか。結論から言えば「出来る可能性大」。

いや、もっと正しく書くと「すでに実証実験も行われている」。どうやって使うのだろう。

こらもう『点火プラグ』です。

御存知の通り、点火プラグに流れる電圧は非常に短い時間ながら2万ボルト前後に達する。その際、微少ながらプラズマ(気体でも液体でも固体でも無い状態)が発生。しかし普通はプラズマなど利用せず、火花で点火する。

点火プラグを工夫し、電磁波の親戚である『マイクロ波』を多く発生させれば、より強力なプラズマが作れるという。プラズマは普通の火花より圧倒的に着火性能が高く、薄い混合気を効率良く燃焼させられるのだった。

具体的な数字を探してみたら、通常の点火プラグだと燃料1に対し空気20程度で安定した燃焼の限界になる。強力なプラズマを点火に使うことにより、燃料1に対し空気25でも安定して燃焼するようだ。

ちなみに理想空燃費はガソリン1に対し空気14.7。超希薄燃焼が可能になるということです。その上、通常の燃焼も安定度が増すなどの効能を持つ。スカイアクティブのように圧縮比を高くすることだって可能。なるほど燃費改善だって出来そうだ。

しかも点火プラグや点火系の部品だけで実現出来るなら、コスト的にも妥当。

すでに特許が出ているため、夢物語&妄想ではないと思っていいだろう。この技術を使うと燃焼効率の向上で15%程度の燃費改善が出来ると言われてます。実現したならガソリンエンジンの燃費はまだまだ伸ばせる。デビューするとしたら東京モーターショーか。

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国沢 光宏
筆者国沢 光宏

1958年生まれ。ベストカーガイド編集部員を経て自動車評論家に。空気を全く読まず言いたいことを言い、書きたいことを書くので自動車メーカーから嫌われている。現在所有しているクルマは日産 リーフやトヨタ MIRAIなど多数。趣味はラリーに出場すること。人気のない(本人談)Webサイトを運営中。記事一覧を見る

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