ボルボ 新型XC40 試乗|早くもヒットの予感! ボルボSUV3兄弟の末っ子は飛び切りキュート(2/3)

  • 筆者: 今井 優杏
  • カメラマン:ボルボ・カー・ジャパン/今井優杏
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室内の収納や使い勝手にも工夫が凝らされている

実際にXC40はこのボディサイズからもたらされる室内空間をユニークにアレンジした。

今回、XC40は他のSUVシリーズであるXC90/XC60とは異なり、オーディオシステムをハーマンカードンにしている。これにより、通常はドアパネルの中にウーハースピーカーを仕込むところを別の場所(フロントサイド、とエンジニアは言った)に移動させることで、ドアポケットの空間を確保し、収納を増やしている。

それだけではなく、センタートンネルのコンソールにはなんとティッシボックスがそのまま収納でき、さらにゴミ箱まで備えているのだ。

ダッシュボックスにはコンビニ袋が引っ掛けられる折りたたみ式のフックを内蔵して、まるで往年のあの、走るラブホと言われたホンダのトールワゴンのような(わかりますよね?)ホスピタリティを発揮しているのである。

輸入車はかっこいいんだけど、やっぱ小物関係の使い勝手は国産に負けちゃうのよね・・・なんてもう言ってられない。インポートだってここまで来たか、というのが正直な感想。

コアターゲット層の若いエンジニアたちが中心となって開発したXC40

実はこのXC40のデザインは、他のモデルのチームと違い、若いメンバーで構成されているのだという。実際にこのクルマを使うコアターゲット層を開発メンバーとすることで、今の若者が本当にクルマを求めるものを詰め込んだ。

現代の若者はクルマにより多様性を求め、より多くの荷物をクルマに乗せることが想定された。エレクトリック・デバイスなど小物の所持率もiPhone一つではない。そこで、このようなストレージの拡大を図ったそうだ。

ちなみに非接触充電器も備えているのだが、これはiPhone X以降に対応しているようで、私のiPhone7では試せなかった。

さて、話がオーディオに及んだので、すこし触れておきたい。なぜ他の上級モデルシリーズに採用されているバウワーズ&ウィルキンスではなくハーマンカードンを採用したかについて。

「ぶっちゃけ、こっちの方が安かったとか?」なんて意地悪なことを聞いてみたのだが、そういうわけではないらしい。正直、値段は変わらないんだよね、と言っていた。それよりも大事にしたことは、“キャラクター”だという。他のモデルに比べてスポーティかつ若々しさを求めたXC40には、ハーマンカードンのシンプルかつクリアなサウンドが合うと判断したためだそうだ。おそらく高級グレードの「インスクリプション」には装備される(はず。推測です。ちなみに試乗車であったベースグレードの「モメンタム」にもコレが装備されていたのだけど、日本導入モデルにはどうなるかまだ検討中だと考えられます)このサウンドシステムは、13のスピーカーを持ち、試乗中はダサめのスパニッシュ・歌謡曲(けっこう昭和調)でさえもを、車内で素敵に響かせてくれた。

ボルボ XCシリーズの共通性も持たせつつ、独自の世界観もしっかり詰め込まれたXC40のキュートな外観デザイン

デザインはご覧の通り。XC90/ XC60に共通する言語を持っていながら、独自の世界観をきっちりと完成させている。

特に気になったのは欧州モデルでいうところの運転席側である左前のボンネットに小さくあしらわれたスウェーデン国旗! シリコン素材のものをボンネットに貼り付けただけのシンプルなギミックだが、こういうの、ありそうでなかった! 乙女心が疼くじゃないの。

ちなみにコチラ、メンテナンス性はあんまり高くないみたいで、「洗車機に入れたら取れちゃうから気をつけて」とのこと。デザイナー曰く、ファーストロットの5000台にのみ装備されるというから、欲しい人は確認して欲しい。

また、モメンタムというエントリーグレードに用意された白ホイールも可愛らしい。ルーフの白とのコンビで他のモデルにはないポップな印象を醸し出している。試乗車は薄いグリーンのような「アマゾン・ブルー」が組み合わされていたが、そう、この「アマゾン」こそ、かのボルボのヒストリックモデル「アマゾン」そのものだ。あの時代に使われたカラーを、現代風にアレンジしたのだという。ちなみに白ホイールは現地デザイナーによれば、モメンタムにのみ展開されるようだ。

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今井 優杏
筆者今井 優杏

自動車ジャーナリストとして、新車や乗用車に関する記事を自動車専門誌、WEBメディア、一般ファッション誌などに寄稿しながら、サーキットやイベント会場ではモータースポーツMCとしてマイクを握り、自動車/ モータースポーツの楽しさ・素晴らしさを伝える活動を精力的に行う。近年、大型自動二輪免許を取得後、自動二輪雑誌に寄稿するなど活動の場を自動二輪にも拡げている。AJAJ・日本自動車ジャーナリスト協会会員。記事一覧を見る

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