トヨタC-HRとマツダ新型CX-5登場で市場が激化、国産SUVバトル勃発!(2/2)
- 筆者: 桃田 健史
成熟したSUV市場から生まれたクロスオーバー
アメリカでのSUV以外にも、世界各地には様々なSUVが存在する。東南アジアでは、トヨタ フォーチュナーや、三菱 パジェロスポーツ(仕向け地別で、モンテロスポーツ)などが、高級車の代名詞となっている。これらは、アメリカンSUVとは車体の種類や搭載エンジンなど、商品企画において別の発想である。
また、欧州では未だにクーペやハッチバックの人気があるため、アメリカと比べると庶民のSUV志向はあまり強くない。そのなかでは、生活四輪としてのコストパフォーマンスの高さから、日産 キャッシュカイが初代の発売当初からこれまで、好調な売り上げを維持している。
さらにここ数年は、中国でSUVブームが起こっており、日米欧各社だけでなく、中国地場メーカーも積極的にモデル展開している。なかでも、中堅メーカーの長城汽車が多種多様なSUVラインアップを展開して売り上げを伸ばしている。
このように世界各地で、それぞれの市場性に合った様々なSUVが登場している。
それからもうひとつ、SUVには新しいトレンドがある。それが“クロスオーバー”だ。しっかりとした定義はないのだが、外観ではSUVをクーペっぽいスポーティなイメージで、インテリアでも凝縮したコックピット感を強調するデザイン手法を用いている。
クロスオーバーの新型車の導入時期としては、欧州高級車メーカーで先行しており、日系メーカーでは、マツダ CX-3、同CX-4、ホンダ ヴェゼル、そしてトヨタの新型CH-Rが追撃する形だ。
日本市場に新風を吹き込むSUVの存在
アメリカを起源とする多種多様なSUV、さらには欧州を起源とするクロスオーバー。こうした世界の動きが日本にも影響を与えている。
ミニバンと軽自動車に占有されている日本市場で、端的に利便性を追求するだけはなく、普段の生活をより刺激的にし、さらに所有することが楽しくなるクルマ。そうした観点から、新世代SUVとクロスオーバーへの期待が、益々高まっているのだ。
[Text:桃田健史]
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