勝利に飢えたトヨタがみせた!WEC第7戦 富士6時間の裏側(1/2)
- 筆者: 山口 正己
- カメラマン:トヨタ自動車
10月16日に富士スピードウェイで行なわれたWEC第7戦『富士6時間レース』は近年、稀に見るいいレースだった。主役はトヨタTS050 HYBRIDであり、小林可夢偉だった。
今年トヨタは、ルマン24時間を中心とする、WEC(世界耐久選手権)への参戦5年目を迎えた。ドイツのケルンに居を構えるTMG(トヨタ・モータースポーツ有限会社)は、東富士の研究所と協議し、これまで培ったノウハウを集結させた思考回路で2016用のトヨタTS050 HYBRIDを作り上げた。
WECの総本山であり、そこで勝たなければ意味かないと言われるルマン24時間レースに照準を合わせてデザインされたのだ。
ルマン24時間の舞台となるサルテ・サーキットは、当時400km/hにも達した最高速を抑制するため“2km以上の直線はNG”という新ルールに呼応して、1990年に途中にシケインが追加されたものの、それでも平均速度は240km/h辺り。F1GP最速のモンツァに匹敵する極めて特殊な高速コースだ。まさにそこがルマンの特徴。トヨタ陣営は、2016年用のTS050 HYBRIDを、超高速の“ルマンスペシャル”としてデザインした。
その結果は、如実に現れた。ルマン24時間でトヨタTS050 HYBRIDは、2回目の予選が雨に祟られる条件の中で、初日の予選で3-4位を記録した。燃料消費量が去年より10%ほど制限された厳しい規定の中で、1年前より2.806秒速いタイムで13.629kmのサルテ・サーキットを走って見せたのだ。
ところが、ルマンが特殊だったことで、逆の現象も起きていた。トヨタTS050 HYBRIDは、他のコースで、ポルシェ919 HybridやアウディR18 e-tron quattroに歯が立たないクルマになってしまったのだ。
ルマン24時間の勝利をほとんど手中にしたトヨタTS050 HYBRIDの、“残り3分の悲劇”が襲ったことは記憶に新しいが、その後、ドイツ、メキシコ、アメリカと進んだシリーズで、トヨタTS050 HYBRIDは常に予選5-6番手に甘んじていた。ルマン以外の戦闘力がポルシェとアウディより低かった。
ところが、富士スピードウェイで10月15日に行なわれた予選で、違う状況が見えた。トヨタTS050 HYBRIDが駿足を示したのだ。富士もストレートの長さが特徴だが、ルマンと同じく、一発の予選タイムでアウディとポルシェに遜色ないスピードを見せた。
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