世界三大レースで真の“お祭り”ル・マン24時間に事件が!今年はトヨタにチャンス到来!(2/2)
- 筆者: 山口 正己
- カメラマン:STINGER
今年のル・マンはトヨタが勝てない理由が無くなった!
ところが今年は、この理論に当てはまらないことが起きようとしている。新時代といっていいル・マン24時間になりそうなのだ。
去年まで「PTA」のうちPとAは、周到な準備をし、上記の理由で3台体制だった。Tは、その事情を知ってか知らずか、2012年に13年ぶりに復帰してからず~っと2台体制を貫いてきた。貫いたというか、予算の関係で2台しか出せなかった、という方が当たっているかもしれない。
トヨタが勝てない大きな理由がここにある。そして、今年も、トヨタは2台体制を発表し、ガックリしていたところに、ある意味での“朗報”が届いたのである。
2014年に優勝を争うLMPクラスに復活したポルシェ、近年は王者の名をほしいままにしていたアウディも、常に3台を投入。結果としてトヨタの連敗が続いていたのだが、今年、ポルシェとアウディが予算節減の自主規制で、2台体制になることが決まったのである!!これは事件だ!
ここでPTAのうちの“T”にチャンスが到来したことはお分かりだろう。PTAは全社2台体制。トヨタにチャンスが到来した。今年のル・マン、必見なのである。
しかし、実のところ、ポルシェとアウディは、VWグループの中の言わば兄弟であり、となると、2台ずつといいながら、実は“4台”じゃないの?という声も聴こえたりするのだが。
トヨタのトラブルはル・マンに向け、トヨタ陣営が攻め込んだ!?
さて、先週のスパ・フランコルシャン6時間である。予選でポルシェ919 Hybridがバカッ速さを見せて最前列に並び、その後に、T-A-T-Aのグリッドでレースがスタートした。しかし、ポルシェは2台とも、パンクやら周回遅れなどのアクシデントもあったりして後退、中盤からトヨタが順調にリードしていた。
が、2台そろってハイブリッドのエンジントラブルに泣き、アウディR18 e-tron quattroが文字通り漁夫の利を拾った。レースが大荒れだったのは、上位に来るはずのPTA6台(ル・マン以外は6時間レースなので、全チーム2台ずつの参戦)のうち、まともにゴールしたのは優勝したアウディR18 e-tron quattroと2位の満身創痍のポルシェ919 Hybridの2台だけ。
3位は格下のノンハイブリッドのプライベーターのRebellion R-One AERという弱小チームのマシンだった。6時間でこうなるのだ。24時間レースはこの4倍、“なにか”が起きる、ということだ。
スパ・フランコルシャンのレースを前哨戦として眺めると、今年のル・マンの流れが見えてくる。速さではポルシェ919 Hybridが優勢。だからポルシェは、1台をどんどん行かせ、トラブルが出たらもう1台に望みを託す。
アウディとトヨタは、その2台目を相手に見立ててレースを進める、という図式である。ちなみに、スパ・フランコルシャン6時間でトヨタは2台ともビッグトラブルに見舞われ残念ではあったけれど、トラブルが出るのは追い込んだからとも考えられる。つまりル・マンに向けて、トヨタ陣営が攻め込んで来た!ということである。
6月18日スタートのル・マン24時間レースは、お祭りなので24時間ずっと観るのは無理として、時々レースを覗いてみると、お祭りの向こう側に日本企業のあり方と、モーターレーシングの本質が垣間見えたりするかもしれない。
[Text:山口正己]
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