米ビジネスでも断然有利!日本勢が完全にリードする燃料電池車(FCV)が社会に必要なワケ(1/3)

米ビジネスでも断然有利!日本勢が完全にリードする燃料電池車(FCV)が社会に必要なワケ
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テスラのイーロン・マスクCEOがFCVを敵視!

テスラ イーロン・マスクCEOと安倍首相

テスラのイーロン・マスクCEOが「水素燃料電池車(Fuel Cell Vehicle=FCV)なんて馬鹿げている」と報道陣に語ったことは意外であった。FCVも電気自動車(Battery Electric Vehicle=BEV)も電気モーターで走るので、同じ仲間ではないかと私は思っている。

どうやって電気や水素を作るのかという課題はつきまとうが、テールパイプから有害なガスを排出しないクリーンな自動車である点は共通する。だからFCVもBEVも同じ仲間だと、私はマスクCEOに言いたいのだ。

もちろん、頭脳明晰なマスクCEOがそんなことを分からないわけがない。ではなぜFCVを敵視するのか。今回はその辺りの事情を考察しながら、FCVの可能性をレポートしたい。

“敵視”と言っても市場で競争するのであれば健全だが、実は米国カリフォルニア州では政治的にFCVとBEVが敵対関係になっている。大きく影響しているのはカリフォルニア州が提唱してきたZEV法だ。

1970年代、マスキー上院議員が提案した大気汚染浄化法がカリフォルニア州で可決され、厳しい排気ガス規制が施行された。いわゆるマスキー法である。この基準を初めてクリアしたのがホンダのCVCCエンジンだ。無名だったホンダは一躍ヒーローになった。

テスラ イーロン・マスクCEOと安倍首相テスラ モデルS「P85D」

しかし、クルマの台数が増えるたびに大気汚染のリスクは拡大するため、1990年代には排ガスゼロのゼロエミッション車(Zero Emission Vehicle=ZEV)を総販売台数に比例して市販することを義務付ける法案が提出された。これがZEV法である。

このとき、GMやトヨタは赤字覚悟でBEVを市販したが、他のメーカーはクルマとしての価値が確立されていないという理由で開発を止めてしまった。

その後、オバマ政権のグリーンニューディールを背景に事態は変わり、ZEVを市販できないメーカーはCO2取引として、BEVメーカーにお金を支払ってクレジットを取得するようになった。

テスラは2013年の第一四半期決算で6800万ドル(1ドル100円換算で68億円)ものクレジットを得ている。FCVやBEVを市販していないメーカーはテスラにお金を支払えばよかったのだが、トヨタやホンダやGMがFCVでZEV法をクリアする戦略を打ち出したため、テスラの収益構造が大きく変わる恐れが出てきた。

その結果、マスクCEOにとってFCVは眼下のライバルとなってしまったのだ。

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清水 和夫
筆者清水 和夫

1954年生まれ。1972年のラリーデビュー以来、国内外の耐久レースで活躍する一方、モータージャーナリストとして、自動車の運動理論・安全技術・環境技術などを中心に多方面のメディアで執筆し、TV番組のコメンテーターやシンポジウムのモデレーターとして多数の出演経験を持つ。近年注目の集まる次世代自動車には独自の視点を展開し自動車国際産業論に精通する。一方、スポーツカーや安全運転のインストラクター業もこなす異色な活動を行っている。記事一覧を見る

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