アクアのSUVが登場!トヨタ アクア X-URBAN 新型車解説/渡辺陽一郎(2/2)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
- カメラマン:トヨタ自動車株式会社
多彩なボディカラーを用意、4WDモデルが選べないのがちょっと残念だが・・・
X-URBANのボディカラーは11色を設定。専用パーツのカラーを変えることで、33通りの組み合わせを選択できる。
内装は基本的にベースとなったアクアと同じだが、シート表皮は合成皮革とファブリックを組み合わせた専用タイプだ。オーナメントパネルも専用になる。内装の各部に装着されるアクセントには、シルバーとオレンジの2色を設定。X-URBANに相応しい都会的な雰囲気を演出している。
少し残念なのは、クロスオーバーモデルでありながら、アクアでは4WDを選べないこと。全車が前輪駆動の2WDになる。ジュークも4WDは1.6リッターのターボに限られ、売れ筋の1.5リッターエンジン搭載車で4WDは選べない。なので2WDのみでも成り立つが、最低地上高に余裕のあるSUVである以上、4WDがあればさらに選びやすい。
アクアは今回のマイナーチェンジで、ボディのスポット溶接箇所を増やして剛性を高めた。なのでX-URBANも、走行安定性や乗り心地に期待が持てそうだ。
エンジンは1.5リッターのハイブリッドのみ、他モデルの動向からもX-URBANの今後の注目度に期待!
X-URBANのグレードは1種類のみ。前述のように駆動方式は2WDのみで、エンジンは1.5リッターのハイブリッドを搭載する。価格は204万6109円。アクアGが195万3818円だから、X-URBANは9万円少々の価格アップだ。クルーズコントロールなどはGに装着されるがX-URBANには備わらず、単純に比べられないが、アルミホイールの装着を含めた内外装の換算額は10万円程度と考えれば良い。
インプレッサスポーツをベースにしたXVが堅調に売れていることを考えると、アクア X-URBANも相応に注目されそうだ。
今後は、既存の車種をベースにSUVを開発する手法がさらに広がるかも知れない。特に日産は、2014年に続いて2015年も新型車が限られ、品ぞろえの変化が乏しい。ノート、セレナといった人気車をベースに、X-URBANのようなクロスオーバー風のグレードを設けると良いだろう。
クロスオーバーSUVには、低コストで開発できる安直な着せ替えグルマというイメージもあるが、グレードの一種と考えれば納得できる。人気の高いスズキ ハスラーも、中身の機能はワゴンRとほとんど同じだ。
既存の車種を有効に活用して新型車を生み出せる都会的なクロスオーバーモデルは、コスト管理の厳しいメーカーの台所事情に合ったジャンルでもあるだろう。いろいろな意味で、今の時代に寄り添いながら、したたかに人気を高めている。
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