空力効果を劇的に高めた意外なパーツとは/トヨタ 新型 86(ハチロク)[”Kouki”2016年8月マイナーチェンジ] 試乗レポート(5/5)
- 筆者: 五味 康隆
- カメラマン:茂呂幸正・TOYOTA・オートックワン編集部
真の狙いはアルミテープとエアロパーツの相乗効果
もう少しアルミテープについて語るが、フロントタイヤの前あたりに貼ると、ボディサイドに空気が綺麗に流れてクルマを横から気流が抑え込み安定させる効果がある。
もっと言うと、このアルミテープの最大の効果や狙いは、アルミテープを貼った場所の整流により、その他の空力パーツを最大限に活かすこと。おそらくKouki86のフロントバンパーの変更は、その形状自体の効果はもちろん、裏側にコソッと貼られたアルミテープによる整流効果で、最大効率を生み出しているのではと推測できる。
さらにメーカーは言っていた。アルミテープを貼る箇所により効果は異なる。良くなるところもあれば、逆もあり得る。それらを含めて、今までは大掛かりになりやすい空力チューニングを乗り味などと相談しながら、気軽に手軽にアルミテープを使ってやってもらいたいとも言っていた。私自身、すでに色々なパターンやクルマで試したが、とても興味深い結果を得られている。
ちなみにドアハンドルの内側に15x40mmくらいのアルミテープを貼ると、大抵のクルマは大きく乗り味が変わった。ボディから突起した樹脂のドアハンドル周辺が整流されて、ボディサイドに綺麗に空気が“そって”流れてくれる効果だろうか・・・。興味がある方はご自身のクルマで試してみると良い。
何にせよ時速20~30キロ、風速でいえば5~9m弱での、グリップ力ではなく安定感や安心感などに寄与する空力勝負が、一般車でも始まりそうだ。
「SACHS(ザックス)アブソーバー」とノーマル、おススメはどっち!?
最後に86の話に戻すが、今回は高性能ダンパーとされる「SACHS(ザックス)アブソーバー」がメーカーオプション設定される。
これを装着すると高速領域で路面追従性があがり、路面にクルマが吸い付くような動きになり安定感と安心感が高まるし、乗り味も上質になる。もちろんその効果は、高速旋回の気持ち良さ。反面、若干ではあるが時速20~60キロの速度域ではコツコツ感がノーマルより大きくなる特性もある。
Kouki86はボディがしっかりして足回りが的確に仕事するようになり、乗り心地自体が底上げされているので、そのザックスでの低速のコツコツもスポーツカーと踏まえれば十分に納得できるレベル。しかし、適度なスポーツ性と街中走行での快適性の両立を狙う方、また高速走行をそこまで深く楽しまないというならノーマルで十分だ。
個人的には、若干ハンドルの初期操舵へのレスポンスと踏ん張り感が落ちるが、15インチタイヤを選び低速での乗り心地はタイヤに吸収させ、高速走行ではザックスの恩恵を受けるという、「G」グレード+ザックスもありだと感じた。
[レポート:五味康隆/Photo:茂呂幸正・トヨタ自動車・オートックワン編集部]
トヨタ 86 GT ”Limited”[FR/6速MT] 主要諸元
全長x全幅x全高:4240x1775x1320mm/ホイールベース:2570mm/車両重量:1240kg/駆動方式:後輪駆動(FR)/乗車定員:4名/エンジン種類:FA20型 水平対向4気筒「D4-S」ガソリン直噴エンジン/総排気量:1998cc/最高出力:207ps(152kW)/7000rpm/最大トルク:21.6kgf-m(212N・m)/6400-6800rpm/トランスミッション:6速マニュアルトランスミッション/使用燃料:無鉛プレミアムガソリン/燃料消費率:11.8km/L[JC08モード燃費]/タイヤサイズ:215/45R17 87W/メーカー希望小売価格:3,183,840円[消費税込み]
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