スバル 新型WRX S4・新型WRX STI 新型車解説/マリオ高野(3/3)
- 筆者: マリオ 高野
- カメラマン:和田清志
リアのスタビリティを劇的に向上させながら、鋭敏なステアリングレスポンスを両立
新型WRXのキモとも呼べるのは劇的に強化されたボディにあります。インプレッサG4をベースにAピラーまわりとフロントバルク、リアシェルフ、リアフロアとリアバルクなどの補剛により、対先代モデル比でねじり剛性40%以上、曲げ剛性30%以上も向上。
床下部材でも各フレーム間の結合強化やフロアパン、トーボードの肉厚化、リアサスペンションとボディの結合強化などにより、G4とはまったく別物のボディに仕立てられました。
この強靭なボディのおかげでリアサスペンションの大幅な限界性能向上が遂げられ、走りの次元が格段にステップアップ。ボディが強くなったことで市販車としては最強クラスのバネレートを採用したにも関わらず、先代モデルよりもしなやかな乗り心地になっていることに驚きました。
試乗してとりわけ印象的だったのは、リアのスタビリティの向上ぶりの凄まじさで、ついに欧州の高性能車と遜色のないレベルに達しましたと断言できます。あの新井敏弘選手が振り回してもケツが出にくいほどの鉄壁のリアのスタビリティを確保しながら、鋭敏なステアリングレスポンスを両立させた次元の高いハンドリングは、新世代に移行したボディ作りの賜物といえるでしょう。
“さらなる可能性”を感じさせることこそが、WRXが存在する意義
新型WRXの開発エンジニアたちをの話を聞いて、もっとも印象的だったのは、“今の時代にWRXというクルマが存在する意味”を世にアピールすることを意識したという、スバルが抱く危機感でした。
WRXは走りにこだわるスバルマインドを象徴するモデルで、スバルにとっても、スバルファンにとってももっとも重要なクルマでもあり、クルマの楽しさをドラマチックに表現することを宿命づけられております。
WRCに出ることもなく、国内のライバル車も居なくなりつつある今、スバルはWRXのようなクルマが存在する意義を世に問われているということを強く意識しており、世間に“こういうクルマがあるべきだ”と思ってもらえるような魅力が伝わることに魂を注いで新型WRXを開発したのです。
走りが良くなってタイムが上がりました、剛性が上がりましたなどとするだけでは、もはやWRXのようなカテゴリーは存続が難しくなった時代です。
4年経ったから新しくしましたといわんばかりの意味のないモデルチェンジを実施するクルマもありますが、WRXファンはそれでは納得しません。今までなら、走りが良くなっていれそれで合格だったともいえますが、これからは“WRXのようなスポーツモデルは世の中にあり続けるべきで、さらなる可能性を感じさせる夢”を提供することが絶対に必要だとスバルは考えています。
個人的に、今回の新型WRXで一番感動したのは、この志の高さにあったのでありました。
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