スバル R1 試乗レポート
- 筆者: 竹岡 圭
- カメラマン:難波賢二
スペシャリティーなパーソナルカーとして。スバル R1誕生!
簡単に言ってしまうとR2の3ドアハッチバックモデルとして誕生したのがR1。そう言いきれてしまえばわかりやすいのだが、実はそれだけにとどまらないのがR1なのである。
実はコンセプトはわかりやすく体現されていて、とにかく小さいことが特徴なのである。
最近の軽自動車は、スペース効率が前面に謳われていることもあり、規格枠いっぱいに作られることが多いのだが、R1はパーソナルスモールカーとして使いやすいと思われるサイズに留められている。なのでパッケージングも、統計による軽自動車の使われ方1.4人よろしく、2+2と潔く割り切られているのだ。
割り切られたスペースの分、加えられたのは、とことんまで追求された上質感と遊び心。軽自動車ではちょっと気後れしてしまうようなシチュエーションでも、この人わかって乗っているんだなと感じさせる、堂々とした風格が小さい中にも息づいているのだ。
レッド&ブラックのインテリアはお世辞抜きにカッコイイ!
デザインコンシャスなスタイリングは、モチーフこそそのまま生かされているものの、R2との共用部品はほとんどないと言っても過言ではない。
ホイールベースが165mm短くなっているのに対し、全長は110mm。つまりフロントオーバーハングが若干伸ばされているため顔周りも違えば、リアゲートもルーフスポイラー一体の樹脂製となっているなどと、似て非なるものなのである。
内装にいたってはその差はあきらかで、インパネの形状こそ同じなものの、カラーリングと質感は別物なのだ。挑戦的なレッド&ブラックのインパネは、表面をマット仕上げとすることで高級感が演出されており、またメーターは三眼独立式のエレクトロルミネセントメーターを採用。お世辞抜きにスポーティでカッコイイ。
また、指針にスウィープ機能を持たせるなどという遊び心もいっぱいのため、クルマと対話しているような気分にさせてくれるのも嬉しいところだ。
R1の走りはスポーティでパワフル
CFを見てもわかるように、女性を中心に訴求していたR2は、フラットで安心感のある乗り味だった。それと比較すると、R1はスポーティと言っていい味付けである。
パワートレイン的には、R2で新開発となったNAエンジンにi-CVTの組み合わせ、つまりRグレードと同じ設定なのだが、若干ハイギアードに振られたギア比と、-10kgの車重、そして155/65R15インチの大径タイヤのせいか、パワフルさが伝わってくる。
さらに足回りは、フロントにスタビライザーを装着した分、サスペンションの主スプリングを柔らかく、ダンパーは減衰力を上げることで、キビキビ感と乗り心地を両立させている。
また、各所のボディ補強&ストラット上部をブラケットで補強することで、ステアリングの舵の効き味もかなりリニアさが増しているのだ。つまり、ロールをむやみに押さえ込むのではなく、逆に自然なロールを発生させることで、インフォメーション性が高くなり、よりコーナーで攻められる設定となっているのだ。
小さいながらも大きなサブトランクを装備。使い応えがある。
スペシャリティなパーソナルカーとして、シートアレンジにも工夫が凝らされている。
特筆モノは、後席を前倒ししたときに生まれる座面と背もたれの間のシークレットな空間だろう。 通常、座面と背もたれはピタッとくっついて倒れるものだが、ここにあえて空間を生み出すことで、車外から見られたくないものや、ラゲッジに一緒に積んで汚したくないものなどを、置くことができる。これは助手席にも同じ機能が持たされているので、加えてオプションのパッセンジャートレイなどを選択すれば、かなり機能的な移動オフィスのような使い方も可能だ。
オプションはと言えば、レザー&アルカンターラセレクションは是非オススメしたいところ。5万円で室内の雰囲気がグッと上質なものになること間違いナシだ。
また、ラゲッジフロア下には約20cmの深さのあるサブトランクも装備されている。通常ラゲッジアンダーフロアボックスなどというと、深さのないものが多いが、これは容量がかなり大きいためかなり使い応えがあると言っていいだろう。
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