2011年12月度販売ランキング/松下宏(1/2)
- 筆者: 松下 宏
震災からの復帰で大幅な増加
2011年12月の新車販売台数は、登録車が34万9,206台となり前年比で「23.5%」増加した。一方、軽自動車は12万7,246台で「17.6%」増。
総合計は34万9,206台で、「21.3%」の増加となった。
上記に含まれる輸入車の台数は2万6,365台で「16.3%」の増加、さらに輸入車のうち外国メーカー車に限ると、2万2,985台で「26.5%」の増加だった。
いずれも前年に比べるとかなり大幅な増加となったが、前年の台数がエコカー補助金が終了した後のものと考えると、これくらいの販売台数は当然かも知れない。
また、東日本大震災の影響から脱して生産の落ち込みを取り戻そうとする中での台数であることも増加方向に影響している。
2012年はこの復調状態をどこまで維持できるかが鍵となっており、復活するエコカー補助金や、継続となったエコカー減税などがどれくらい販売増につながるかが注目される。
1位~5位:プリウスの独走が続く
※()内は(販売台数 [前年対比])
1位:トヨタ プリウス(22,998[127.0%])/2位:ダイハツ ミラ(17,603[394.9%])
3位:ホンダ フィット(15,248[104.8%])/4位:スズキ ワゴンR(13,953[93.5%])
5位:ダイハツ ムーヴ(10,147[93.8%])
販売ランキングの首位に立ったのは「トヨタ プリウス」で、唯一2万台を超える販売台数を記録した。これはプリウスαの台数を含むものだが、様々な新型車が発売されているにも関わらずプリウスの独走状態は変わらない。
12月26日に発表された「トヨタ アクア」については、12月の段階ではまだほとんど登録されなかったので今回はランキングに登場せず。アクアの台数が伸びてくるとプリウスが影響を受けると見られており、その影響がどれくらいになるかが1月以降の注目点となるだろう。
2位は前月に続いて「ダイハツ ミラ」だった。要因は、ミライースの好調な売れ行き。その証拠に、ここ2ヶ月連続してミラがフィットを上回っている。
3位の「ホンダ フィット」もフィットハイブリッドやフィットシャトルを合わせた数字ながら、1万5,000台を超える好調な売れ行きが続いている。
「スズキ ワゴンR」と「ダイハツ ムーヴ」のハイト系軽自動車が4~5位に入る状況は前月と同じ。ダイハツがミライースの販売に集中していることで、ほかの車種の伸びに影響していると見られる。
そして、ムーヴにもイーステクノロジーが採用されて燃費が向上しているし、ワゴンRもFXリミテッドにアイドリングストップ機構装着車を設定して燃費を向上させるなど、それぞれに商品力の強化を図られており、今後の争いが注目される。
6位~10位:フリードが急上昇して7位に
6位:ダイハツ タント(9,289[87.0%])/7位:ホンダ フリード(7,817[132.4%])
8位:トヨタ ヴィッツ(7,750[142.9%])/9位:スズキ アルト(6,930[143.3%])
10位:日産 セレナ(6,512[211.1%])
ベスト10の後半では前月の11位から急上昇して7位に入った「ホンダ フリード」が注目される。フリードはハイブリッド車を追加し、現時点で売れるクルマの半分くらいがハイブリッド車という状況になっている。
「ダイハツ タント」も7位から6位へとランクアップを果たした。タントにもイーステクノロジーが採用されて燃費が向上したほか、ハイト系で最も人気の高いモデルの座を維持している。
気になるのは、タントの性能をいろいろな面で上回ってきたホンダの「N BOX」。12月はまだ販売が本格化しなかったため27位だが、1月以降はN BOXとの競合でタントの売れ行きに影響が出ることも考えられる。
「トヨタ ヴィッツ」は、6位から2ランクダウンの8位。前年比は大幅に増加しているものの、ランキングは伸び悩んだ。「スズキ アルト」もヴィッツと似たような伸び率で9位の座を継続。ミライースの燃費を上回った「アルト エコ」の販売台数が上乗せされてくれば、さらに販売台数の伸びが期待される。
10位に入ったのはミニバンの「日産 セレナ」で、フリードに含まれる2列シート車を除くとミニバンで首位の座を確保した。セレナは年間でも8万4,359台を販売しており、年間ランキングでは8位に入っている。
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