全日本EVレース 現地レポート/桃田健史(1/2)

全日本EVレース 現地レポート/桃田健史
画像ギャラリーはこちら

全日本EVレース 現地レポート

ギラギラ太陽、快晴の「海の日」、2010年7月19日。千葉県で日本の自動車史上、記念すべきイベントが開催された。その名は「全日本袖ヶ浦EV50kmレース大会」。

日本でついに、本格的な電気自動車レースが開幕したのだ。開催地は、昨年オープンしたばかりの千葉県「袖ヶ浦フォレストレースウェイ」(1周2.4km)だ。

今回のエントリーは、たったの9台。そのうち量産車クラスが、米ベンチャー・テスラ社の「ロードスター」が2台と三菱「i-MiEV」が4台。改造車クラスでは、ポルシェ 916EV、スバル ヴィヴィオEV、AE86 カローラEVが出走した。

テスラ2台とポルシェは、GTレースの大御所「チームタイサン」からのエントリーだ。

同チーム総監督の千葉泰常氏は、

「昨年の筑波EVフェスティバルで、916EVが見事完走した。当初、同車のリチウムイオン二次電池搭載を考え、日本の各電池メーカーと交渉したが、価格面が折り合わなかった。そこで今年に入ってから、テスラの米サンタモニカ店にあった、この車輌を購入した」という。

ドライバーはGTレースのベテラン、飯田章選手。「普通のレースカーとは全然違う雰囲気。熱対策を考えながら、クレバーに走らないといけない」と語る。

またもう一台のテスラは、中古車業/買取大手のガリバーが輸入した車輌を大阪の業者が買い取り、チームタイサンのドライバーである植田正幸選手が走行した。

三菱i-MiEVは、4台のうち3台が三菱自工本社が管轄する車輌。同車のプロモーションを兼ねての出走となった。

また、パリダカの覇者・増岡浩選手もチームの応援にかけつけた。「5年もすれば、EVが一気に普及するでしょう。それときょうは別の目的もあって・・・」(増岡氏)。

筆者は増岡氏を以前から知っているので、オフレコ話としていろいろ聞いた。どうやら、海外のダートレースで増岡氏自身がプロデュースするEVマシンで出場したいようだ。

その他会場では、ビレルパシフィック社による「EVカート試乗体験」が催された。これは、ミツバ社製のモーターと鉛蓄電池を搭載したモデルだ。

筆者も体験してみたが、マックスパワーから30%ほどデチューンして出力48KWのモーターではあるが、それでも迫力満点。「遊園地などでのユースを狙っている」(同社関係者)という。

また、コース上ではBMW MINI E(BMWジャパン)、トヨタS800EV(トヨタ東京自動車大学校)、S13シルビアEV(千葉県自動車総合大学校)のデモランも行われた。

1 2 次へ

この記事の画像ギャラリーはこちら

  すべての画像を見る >

【PR】MOTAおすすめコンテンツ

桃田 健史
筆者桃田 健史

日米を拠点に、欧州、BRICs(新興国)、東南アジアなど世界各地で自動車産業を追う「年間飛行距離が最も長い、日本人自動車ジャーナリスト」。自動車雑誌への各種の連載を持つ他、日経Automotive Technologyで電気自動車など次世代車取材、日本テレビで自動車レース中継番組の解説などを務める。近著「エコカー世界大戦争の勝者は誰だ?」(ダイヤモンド社)。1962年東京生まれ。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

MOTA編集方針

「車好きのみんなが見ているメルマガ」やSNSもやってます!
カー用品・カスタムパーツ

愛車の売却を、もっと楽に!もっと高く!

  • 一括査定はたくさんの買取店からの電話が面倒?

    これまでの一括査定は、たくさんの買取店からの電話が面倒でした。MOTA車買取なら、最大20社の査定額をwebで簡単比較。やり取りするのは査定額上位の3社だけ。車の査定が楽に完結する仕組みです。

  • 一括査定は本当に高く売れるの?

    これまでは、買取店に会わないと査定額がわからず、比較がしづらい仕組みでした。MOTA車買取は、申込翌日18時に最大20社を簡単比較。加えて、買取店は査定額上位3社に選ばれるために競い合うから、どうしても高く売れてしまいます。

人気記事ランキング
最新 週間 月間

新着記事

新着 ニュース 新型車 比較 How To
話題の業界トピックス・注目コンテンツ

おすすめの関連記事

この記事にコメントする

コメントを受け付けました

コメントしたことをツイートする

しばらくしたのちに掲載されます。内容によっては掲載されない場合もあります。
もし、投稿したコメントを削除したい場合は、
該当するコメントの右上に通報ボタンがありますので、
通報よりその旨をお伝えください。

閉じる