金子浩久・小沢コージの2009下半期ベスト・バイ・カー 総論トーク 輸入車編(1/2)
- 筆者: 小沢 コージ
- カメラマン:オートックワン編集部
ますます出島化する輸入車市場
小沢一方輸入車ですけど・・・。
金子相変わらず日本車みたいなエコ偏重主義はないね。というか、日本に入ってくる輸入車は限られてるからさ。一部偏った高級車しか入って来ないから、世界の本当の姿や事情が見えないとも言える。要は長崎の“出島”なんだよ。江戸時代にあった日本ならではの特殊で狭い市場。
小沢鎖国しつつある日本の面目躍如・・・っていうか問題点の塊。その象徴が、ヒュンダイの撤退かもしれませんよね。
金子日本市場からの撤退ね。
小沢北米で売り上げを伸ばし、去年はヒュンダイ・ジェネシスでカー・オブ・ザ・イヤーを取ったほどなのに、日本は逆にシャットアウト。
金子最近ヨーロッパでもヒュンダイは良く見かけるし、日本を見てても世界のクルマ事情、経済状況は全く見えてこない。
小沢日本はエコカーっていえば、ハイブリッドのことですけど、北米じゃコンパクトカーってことだけでエコだし、ヨーロッパは小排気量のディーゼルターボ中心ですからね。それもVWポロの最新型ブルーモーションなんて実質100kmを4リッター以下で走行、つまりリッター25km以上はいくらしい。
金子その辺は政治や世相も関わってくるからな。ホント、日本もディーゼル蔑視を早いとこ止めないと大変なことになる。
小沢とはいえ、マイカーで年間1万キロ走れば御の字の国ですからね。ディーゼルの“走る安さ”は蔑視がなくなっても通じないかもしれませんよ。
金子日本は世界に冠たる神経質国家だから、メーカーも日本で通じれば世界で通じる!みたいなある種の登竜門として考えてるのかもしれない。
小沢ほとんど麻雀でいう「このハク通った!ラッキー」ってな状態ですね。
金子麻雀か・・・これまた若い人にはわかんない世界だろうなぁ。クルマ同様(苦笑)
宇宙戦艦ヤマト戦法をやめたジャガー
小沢で、実車ですけど、デザインでいうと俺は分かりやすくシボレー・カマロ!09年に出たクルマの中で「一番カッコ良かった」って印象が明確に残ってるし、他のジャーナリストの評価もズバ抜けて高い。乗っても予想外に良かったけど、やはり凄いのはデザイン。しかも、エクステリアだけでなくインテリアまで良かった。
金子俺、実は乗ってないんだよ、乗りたかったけど・・・。
小沢乗らなくても分かるところで言うと、一番凄いのは“似てないの似てる部分”で、ボディサイズにしろ、曲面の造形にしろ、実は初代と全然違うのに、全体として見るとデザイン的純度が高い。魂の系譜ぶりで言えば、ある意味、BMWミニやニュービートルも越えてると思った。
金子たださ、写真見た限りで申し訳ないけど、今さらって言うかちょっと後ろ向きすぎない?
小沢超不況のアメ車だけにご祝儀相場になってるのは事実ですが、アメ車ってやっぱカッコいいじゃないですか。“アメ車 is back”。クルマ好きにとっちゃそれだけで嬉しいって感じなんですよ。
金子リーマンショック以降、もしやアメ車は死ぬかも知れないって思われてたからね。でもマジな話、だったら俺はジャガーXJだな。あれは、実物を見て本当にカッコいいと思った。しかも、あれはカマロと違って未来的。過去に戻るどころか、二段階ぐらいいきなり未来に飛んでて逆にそれが不安ですらある(笑)
小沢確かにねぇ。
金子ジャガーってある意味、延々と疑似クラシック調でやってきたわけじゃない。カマロなんてもんじゃなく、ずっと後ろを振り返ってきたブランドだと思うのよ。80年代に60年代のデザインを作り、90年代にその80年代のデザインをリファインしていって、ずっと過去の遺産で食ってきた。
小沢いわゆる中身最新、外見古典の“宇宙戦艦ヤマト作戦”(笑)でもそれがほぼ伝統芸能化されて、評価されてきたわけじゃないですか。それこそ歌舞伎みたいに。
金子そうなんだけど、それもいよいよ限界。イッキに未来へ羽ばたいたわけで、これで初めて中身と外見が合ってきた。ジャガーにとっては革命的だよ。
小沢でもね。歌舞伎役者がいきなり月9ドラマに出たって・・・。
金子意外と成功するじゃない。松たか子とか(笑)
小沢あれは歌舞伎役者の娘で当人じゃないでしょ。やっぱり麻央ちゃんと結婚する海老蔵クラスが、果たしてドラマに出てきてキムタクや福山と張り合えるのかっていうと・・・。
金子大丈夫だって。ロン毛の海老蔵、カッコいいはずだよ。十分、顔濃いし(笑)
小沢超リスクですよ。
金子そこがいいんじゃない。空振りかホームランか。まさにサムライビジネス(笑)
小沢わかりました。ところで後、デザインでは松下さんのパナメーラってのが一票・・・。
金子理解不可能!(笑)
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