国産セダンは人気がない!?日本でセダンが売れない2つの理由(2/5)
- 筆者: 渡辺 陽一郎
セダンが売れない二つの理由(1)クルマに「実用性」が求められるようになった
セダンがここまで売れない状態に至った理由は、大きく分けて2つ。
まずはユーザーがクルマに対して、「趣味性」よりも「実用性」を求めるようになったこと。セダンの全高は大半が1500mm以下で、居住空間の後部に背の低いトランクスペースを独立して設けているが、このボディ形状は空間効率が悪い。
歴史の古いメーカーならば、セダンとの相性は良い
だが、メルセデス・ベンツのような歴史あるメーカーの輸入車ならば、ブランドイメージとセダンボディとの相性は良い。
メルセデス・ベンツというメーカーが持つ魅力として「長年にわたる伝統」がある。1990年代の前半までは、メルセデスにはAクラスやSUVもなかった。クーペとワゴンは一部にあったものの「ベンツといえばセダン」であったから、そのブランドイメージが今も強く残る。
また欧州車の魅力として古くから優れた「走行安定性」と「乗り心地」が挙げられるが、この魅力を高める上でもセダンは都合が良い。低重心で、なおかつ後席と荷室の間に隔壁が備わり、ボディの剛性も確保しやすいからだ。
低重心で高剛性のセダンが持つ走りと快適性の魅力は、欧州車のイメージとも合致する。
だからメルセデス・ベンツやBMWでは、セダンボディを受け入れやすい。今ではメルセデス・ベンツやBMWにもボディの種類が増えて、実用重視のニーズにも応えるが、セダンの人気も依然として高い。
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