ブリヂストン 新世代ランフラットタイヤ 試乗レポート(1/2)

  • 筆者: 河村 康彦
  • カメラマン:株式会社ブリヂストン
ブリヂストン 新世代ランフラットタイヤ 試乗レポート
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ブリヂストン 新世代ランフラットタイヤ 試乗レポート

あなたは、ドライブ中に“パンク”の経験があるだろうか。

免許取得後の総走行距離が10万kmを越えたという人であれば、その答えが「YES」という人は少なくないはず。一方で、それでは「そんな経験を最後にしたのはいつか?」と質問を変えると、今度は余りに古いハナシで明確には答えられないという人も多いのではないだろうか?

ほぼ全ての自動車用タイヤがラジアル構造となり、道路整備も進んだ昨今では、そんなトラブルは決して頻繁に起きるものではない。しかし、路上で立ち往生してSOSという多くの事例が「タイヤトラブルに起因する」という統計があるのも、また厳然たる事実だ。

というわけで、「いつ、どこで起きるか分からない」という恐ろしさが常に付きまとうのが、パンクというトラブル。タイヤという代物が内部に空気を溜める事で初めてその機能を発揮するという宿命を持つ限り、決して逃れる事は出来ないのが、この現象なのである。

空気入りの自動車用タイヤが世に現れてすでに110年余り。

しかし、残念ながら現在でも「パンクしないタイヤ」は存在しない。一方、「パンクをしてもしばらく走り続ける事の出来るタイヤ」=ランフラットタイヤはすでに実用化されて久しい。パンクをすると走行不能になる最大の理由は、「クルマを支える」という一大機能が失われてしまうため。

そこで、空気圧が抜けても“荷重支持機能”を保持するべく、様々な方法で「ペシャンコになる事を防ぐ」工夫が施されたのがランフラットタイヤだ。

ちなみに「80km/h以下の速度で、80kmの距離までは走行可能」というのがISO(国際標準化機構)の技術標準によって定められているランフラットタイヤの“定義”。

ただし実際に走行可能な条件は、タイヤメーカーと自動車メーカーの協議によって決定されるという。1987年にポルシェ959への標準採用が行われて以来、ブリヂストンが積極的に取り組んでいるランフラット技術は「サイド補強型」。タイヤ側面のゴムを強化する事で、空気圧ゼロでも車体を支える効果をキープする。これが、この方式の基本的な考え方だ。

ただし、タイヤには側面がたわむ事でショックを吸収するという一面もある。ランフラット構造を採るとこの機能が低下し、乗り心地が悪化するのが大きな悩みだった。

そこで、最新技術を駆使する事でこのウィークポイントの解決に挑んだのが、今回紹介する最新のランフラットタイヤ。「発熱を抑えた新サイド補強ゴム」「熱を利用して変形を抑制する新プライ」「サイドの熱を冷却するクーリングフィン」という3つを適宜組み合わせて採用するのが、『第三世代』を謳うこの新タイヤでの技術ポイントだ。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

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監修者MOTA編集部

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