ルノー ウインド 試乗レポート/岡本幸一郎(2/3)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:オートックワン編集部
ルノー・スポールが開発を手がけた走りへのこだわり
ドライビングポジションはグッと低く、深くえぐられたサポート性の高いシートが装備されている。オープンにして走る際には、開放感が十分に高いながらも、風の巻き込みがかなり小さく抑えられているところもありがたい。
フロントウインドウが大きいほうが風の巻き込みは抑えられるが、もちろん開放感はスポイルされる。そして後方も、できるだけ大きな壁があるほうが巻き込みを抑える上では有利。
ウインドでは、Aピラーの角度や長さの設定がちょうどよく、後方はタルガトップ状に高く覆われていることで、そのあたりの帳尻が上手く合っているようだ。
むろん高速道路を巡航するような速度域では、それなりに巻き込みは大きくなるが、市街地や郊外での一般走行では、あまり気にならないレベルに保たれる。
ウインドは、走りもなかなか侮れない。
実はF1にも深く携わるルノーのモータースポーツ部門であるルノー・スポールが開発を手がけているというから、どうりでそのはずだ。
オープンボディだし、スペック面で特筆すべきものもないので、雰囲気重視のクルマだろうと予想していたのだが、意外なほど(失礼!)キッチリと作り込まれている。
いたって乗りやすく、乗り心地が十分に快適でありながら、フットワークは俊敏な味付け。
ロールは小さく抑えられており、ステアリングフィールもしっかりしていて、スポーツカーとしても恥じない仕上がり。開放的なオープンエアドライブが楽しめる以前に、ウインドは走りそのものがとても爽快で気持ちいいのだ。
剛性面では不利なオープンボディながら、スカットルシェイクはまったくないわけではないものの、気にならないほど小さく抑えられていることも印象的だ。
見ると、乗降性への配慮からか、高さは抑えられているが、サイドシルはかなり幅広くなっているし、トランクの左右には補強バーが斜めに介されている。
さすがはルノー・スポールなのか、走りへのこだわりは、こうしたところにも見て取れる。
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