日本でも“発売直前”、新型プジョー3008を雪上試乗! FFといえど雪上性能にスキなし(2/2)

  • 筆者:
  • カメラマン:プジョーシトロエンジャポン レポート:南陽一浩
日本でも“発売直前”、新型プジョー3008を雪上試乗! FFといえど雪上性能にスキなし
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最後は“氷上サーキット”で3008の実力をチェック

最後のプログラムは氷上サーキットだった。

パイロンを立てたコーナーに進入した真ん中でアクセルを全開にしろという。いくらなんでも外に膨んで進まないんじゃないかと思ったが、3008は何とパイロン通りにトレースして加速していく。

従来比サンプルとしてプジョー4008(三菱アウトランダーの欧州OEMプジョー版)をパートタイム4WDの状態で同じことを試したが、こちらはフロントが外に膨んだ後、リアが大きく流れてしまった。FFになるかFRになるか迷っている動きだ。

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これに対し新型3008では、AGCがベクタリング制御して外輪・内輪のトラクション差でクルマをステアリング舵角に応じて内側に向けることで綺麗にトレースするが、それだけではない。

通常のESPは、車輪と路面スピードに約6%以上の差が生じると駆動力を間引きする。だがプジョーの場合は、ドライバーが+50%アクセルを踏み込んでいたら、それを目標値として徐々に向かっていくように駆動力を供給する。するとエンジンの回転数を抑えつけ過ぎることなく、ドライバーの興を削がず意図に沿ったまま、クルマは加速していく。直線加速でその効果はより顕著だ。

ちなみにスタッドレスを履いた4008より、オールシーズンタイヤ仕様の3008の方が雪上でのゼロ・スタートから40km/h程度までの直線加速が速かったことは付記しておく。制御プログラムだけでなく、元々のトラクションが優れているのだ。

おまけに、プジョー104ZSの氷上サーキットレッスンも

そしてこの日のおまけは、70年代末のプジョー104ZSを操っての氷上サーキット・レッスンだった。

乗る前はカウンターを当てまくるのかと思っていたが、逆だった。前後ストラットともタワーバーが入って剛性が上がっているとはいえ、進入の荷重移動とステアリングを急に切り込むだけでスリップアングルがつく。

ついカウンターを当てたくなるが、同乗のインストラクターはステアリングを中立に戻して待ってろ、という。

彼の言葉をそのまま借りれば、クルマがするままに任せておけ、向きを変えるのを待って、あとはコーナーの頂点でアクセルを踏むだけ、というのだ。

ほんの少しスリップアングルを許容しつつドライバーの意志にとことん忠実なニュートラルステア、そしてフロントの確実なトラクション。

そんなプジョーのハンドリングの伝統を、垣間見た気がした。

[Text:南陽一浩]

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