オペル シグナム 試乗レポート
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:小平寛
スポーツ・リムジン・ワゴン
シグナムはオペル・ベクトラの最上級モデルとして開発された。これまで、ベクトラシリーズは4ドアセダンと5ドアハッチバックがラインナップしている。
シグナムはリアゲートをもつ4ドア車だがそのジャンルはこれまでのクルマとは、ちょっと異なる。ステーションワゴンでもないし、2ボックスカーというイメージでもない。
メーカーはスポーツ・リムジン・ワゴンと名付けているクルマだ。
特徴はリアシートのアレンジで居住空間の広さだろう。スライドさせれば足元は大人が寝られるほどに広く、4/2/4で分割可倒させると、ワゴンのように広いラゲッジスペースにもなる。
ボディサイズは全長が4635mmと、セダン/5ドアよりも25mmだけ長いが、全幅はセダンと同じ、全高は5mmだけ低い。ホイールベースは130mmも長く、居住空間を優先している。車両重量は70~80kg重い。
スポーツモデルにふさわしい性能
基本的なメカニズムはベクトラと共通だがチューニングは異なり、車両増に対応している。
2.2Lは直列4気筒のDOHC、直噴ガソリンエンジン。これはオペル初で出力は155ps、最大トルクは22.4kgmになる。4/5ドアよりも8ps、1.7kgmアップし、スポーツモデルにふさわしい性能を得ている。
3.2LエンジンはV6、DOHCで、211ps、30.6kgmの性能。こちらは4/5ドア用と同じ数値になる。
サスペンションはフロントがストラット、リアはアルミ素材を多用した4リンク式を組み合わせている。ショックアブゾーバーやスプリング、スタビライザーもシグナムのスポーティな走りに合うように新設計された。
電子制御デバイスでは、コーナリング中の姿勢をコントロールするESPプラス(エレクトロニックスタビリティプログラム)、TCプラス(トラクションコントロール)を装備。ハンドルはマップ制御を採用している。
新エンジンの魅力を最大限に発揮したしなやかな走り
セダン/5ドアよりも出力/トルクアップした2.2Lモデルから試乗した。
5速ATのDレンジでスタートする。軽快にダッシュする。4気筒エンジンは6500回転まで上昇して、シフトアップするが、エンジン音などを考慮すると6000回転が常用域。1速60、2速90km/hまで伸びる。0→100km/h加速は9秒台。セダンや5ドアは10秒以上なので、新エンジンの性能アップは確実。
コーナーでのボディのロールも小さく抑えられている。
一方、3.2Lモデルは0→100km/h加速は8秒台とはやいが、こちらは4/5ドアと同じレベル。コーナーでは車重増加もあり、ロールはやや大きいが、動きはしなやかで、不安はない。
シグナムの特徴であるリアシートだがスライドを前方にしても足元は広い。ただし中央 席は物入れとして使うほうがよい。リアのラゲッジスペースも広く、後席はダブルフォールディングでフラットになる。
ステータス性のある佇まい。リアシートの居住性は抜群
ベクトラシリーズの最上級モデルとして登場したシグナムは、これまでの乗用車のジャンル分けではちょっとむずかしい。
考えられるユーザーは、リアシートの居住性を重視するファミリーユーザーか。実際にヤナセのフェアでは、病院に祖母を送り迎えしている人が、リアシートの乗降性のよさと広い空間を気に入って、購入したという。
ステーションワゴンや2Lクラスのハッチバック車では車格のステータス性がない、という人にも、このスタイリングは受け入れられるハズだ。大柄(全幅が1.8m)なボディは、独特の押し出し感がある。
グレードは2.2Lと3.2がある。速さと余裕を求めるなら3.2だが、車両価格は422万円でベクトラGTSより高い。2.2は355万円で、こちらも4/5ドアより高めだが、新エンジンは走り、燃費ともに良い。エンジン音がやや大きめなことが気になるが、おすすめは、2.2Lモデルのほうだ。
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