THE NEXTALK ~次の世界へ~ 日産自動車 実験技術開発本部 祖父江玲奈 インタビュー(2/5)
- 筆者: 御堀 直嗣
- カメラマン:佐藤靖彦
性別も個性の一つ
祖父江玲奈は、大学卒業後すぐに日産自動車へ就職したわけではない。新社会人として外資系コンサルティング会社に入り、そこで10年働く間、世界的に見ても日本企業ではいかに女性比率が低いかを知った。
【祖父江玲奈】前の会社は女性比率が高く、男女差別といったことを感じたことはありませんでした。仕事上、男女の違いといったことも世界的に学んできましたが、とくに日本と韓国では職場での女性比率が低く、そこをテコ入れしなければという話がコンサルティング業務の中でしょっちゅう出てきました。
ところが、男女の違いを調べようとすると、差別と言われ、これまでなかなか実態を知ることが進んでいなかったのですね。しかし私は、性別は差別ではなく、男性と女性には違いがある。それにもかかわらず、男女ともそのことに無意識であったり、女性はこう考えるのに男性がそこに気付かないでいるといったことがあったりして、もっと女性のメリットを活かせることがあるのではないかと考えてきました。
たとえば、コールセンターの声は、女性の方が柔らかい印象を与え、それは男女ともに同じように感じているといった、男女の違いを活かすとうまくいく要素があると思うのです。つまり、性別も、個性の一つであっていい。そう考えているとき、日産自動車が「女性の魅力創出グループ」の部署を作り、そこに求人があると教えられたのです。
一方で、外資から日本企業に入ることへの抵抗がありましたし、日産自動車は女性比率が低いし、しかも研究開発部門は女性がなお少ない。そんなところで、性別を個性の一つとして活かす仕事が現実的に可能なのかどうか?悩みました。
そんな中、カルロス・ゴーン社長がダイバーシティ(多様性。人種、国籍、年齢、性別を問わず人材を活用すること:筆者注)を活用されていたので、不利にはならないだろう、女性を活かして仕事ができるなら面白そうだと思い、転職しました。
コンサルティングの業務でもクルマとの接点はそれまで無かったと言う祖父江にとって、日産自動車に入社してみて、自動車業界はどのような世界であったのだろう?
【祖父江玲奈】サプライヤー(部品供給メーカー:筆者注)さんを含め、ビジネスのサイズが事前の予想を超えていました。そしてほとんどが男性エンジニアで、うわーっという感じ。会議に出ても女性は一人で、「あの人は誰?」とささやかれ、「ああ、女性グループの人なんだ」という会話が聞こえてきたり…。
女性の自動車ジャーナリストも人数が少なく、自動車業界の関係者に女性が少ないことを改めて思わされました。
私の仕事は、数値で簡単に表せることばかりではないので、関わっている人数が多いことによって情報が行き届かなかったり、伝わっていなかったり、それによって意図とは違う物が出来上がってしまったりといったことが起こるので、関わる皆さんに共感してもらうことが大切だと思っています。
男は論理的に考えたがる。そこには、数値にしにくい女性の感性を織り込む苦労があったに違いない。その扉を、一つずつ開いていった祖父江の姿が重なって見える。
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