Will Smart、日本初のOBD型デジタコの販売を開始
~中小トラック事業者向けに、安価・簡易・高機能な物流DXソリューションを展開~
「移動」を支えるテクノロジー企業として物流DXの課題解決に取り組む株式会社Will Smart(東京都江東区 代表取締役社長:石井康弘、以下Will Smart)は、2026年4月より、日本初(※)のOBDII(On-Board Diagnostics II)型デジタルタコグラフ(型式名:OD420JP)の販売を開始することをお知らせいたします。本製品は、設置の簡易性・導入コストの低減・高精度データの取得を両立し、中小トラック事業者のデジタル化と経営効率化を支援する革新的なソリューションです。
※国土交通省公表「令和7年度 運行管理の高度化認定機器一覧」参照(2025年12月 自社調べ)
■開発の背景
現在、車両総重量7トン以上または最大積載量4トン以上のトラックには、アナログ式またはデジタル式の運行記録計(デジタコ)の装着が義務付けられています。しかし、国内の多くの中小トラック運送事業者では、依然としてアナログ式が使われており、運行データのデジタル活用が進んでいないのが実情です。
こうした背景を受けて、国土交通省は「物流革新に向けた政策パッケージ」の中で、デジタル式運行記録計の普及を強く後押ししており、将来的な装着義務化も視野に入れつつ、2027年までに装着率85%を目指すとしています。この政策の背景には、2024年度から適用されたドライバーの時間外労働規制への対応や、安全運転の徹底、労務管理の信頼性向上、そして運行データを活用した経営効率化といった業界課題への対策が求められていることがあります。
特に、全国に約6万3,000社存在するとされる中小トラック運送事業者では、導入費用の負担感、使い方の複雑さ、既存システムとの連携の難しさなどが障壁となり、導入が進みにくい状況にあります。
こうした課題を踏まえ、当社は中小事業者でも手軽に導入できるOD420JPを開発しました。本製品は、安価・簡易・拡張性という3つの特徴を備えたOBDII型デジタコであり、従来製品とは異なり、車両への取付けが容易でかつ多様な車両データの取得が可能であることが大きな利点です。また国土交通省が実施する中小物流事業者による物流DXの推進支援策への適用も視野に、補助金活用による導入促進も検討しています。
本製品OD420JP本体
赤丸部分がOBDII端子
■製品の特徴と機能
特徴1.:日本初、OBD型による簡単・低コスト導入
従来のデジタコは、配線工事や設置位置の指定が必要で、取付けに関する手間と費用がかかるのが一般的でした。OD420JPは日本初となるOBDII型デジタコとして、車両のOBDII端子に差し込むだけで即座に利用が可能。取付けに係る導入コストを大幅に削減でき、中小トラック事業者や協力企業(いわゆる傭車〈ようしゃ〉)への展開も容易になります。これにより協力会社も含めた運行データの一体的な収集が可能となります。
特徴2.:豊富で高精度な運行データをリアルタイムに取得・活用
OD420JPは、0.5秒~数分単位の高頻度で、走行距離・時間、車両位置情報などの詳細な運行データを取得。リアルタイムで配車・動態管理システムやクラウド型FMS(Fleet Management System)と連携し、業務全体を可視化します。さらに急ブレーキ・急加速・急減速などの危険運転を検知、安全運転指導や事故防止に活用可能です。燃料消費量やCO2排出量も正確に算出でき、環境管理や経営効率化にも貢献が期待されます。(※当該製品を用い燃料法に基づくCO2排出量の測定の精度調査を今年度実験中)
また将来的には故障の予知などへの活用が期待されており、メンテナンスの最適化(CBM:Condition Based Maintenance)の実現に寄与する可能性がございます。
特徴3.:API連携による柔軟な拡張性
クラウドベースで設計されたOD420JPは、弊社が提供するIoTゲートウェイ(API連携)を通じ既存の業務システムともスムーズに統合可能。導入後も業務に合わせた新機能の追加や他サービスとの連携が容易で、継続的なアップデートによる価値向上が実現します。変化の激しい物流環境にも柔軟に対応できる、拡張性の高い次世代型デジタコです。
従来デジタコとの主な違い
■製品仕様
■導入による主なメリット
1.安全運転管理の高度化
走行データをリアルタイムで収集・可視化し、表やグラフで自動表示。急加速・急減速などの危険挙動も即座に把握でき、ドライバーへの安全運転への指導が可能になります。これにより、事故リスクの低減と安全運転教育の質向上が期待されます。
2.労務管理の正確性の向上
運転日報が自動で出力されるため、記入ミスや記入漏れを防止。荷待ち・荷役時間なども正確に把握でき、ドライバーの働き方の「見える化」に貢献します。2024年度から適用された時間外労働の上限規制への対応としても有効です。
3.経営の効率化と環境負担の軽減
燃費データの可視化により、月間の燃料コストを5~10%削減できる可能性があります。CO2排出量の把握と削減計画の立案も支援。故障予知データの活用により、突発的な修理・整備コストの抑制への将来的な期待もございます。
■販売開始予定
2026年4月の販売開始を予定しています。なお、販売に関しては販売代理店様を通じた形態となります。
なお、今後タコグラフの設置が義務付けられている事業用バス・タクシー車両への対応の拡大も予定しております。
■今後の展開
Will Smart は、OD420JPの販売を皮切りに、クラウド型FMS、配車・動態管理システム、アルコールチェックシステム、その他IoT車載デバイスなどを組み合わせた、物流業界向けの総合プラットフォームの構築を進めてまいります。
OD420JPはAPI連携を前提に設計されており、顧客が既存の業務システムや運用フローを活かしながら段階的にDXを推進できる柔軟性を備えています。これにより、将来的なデジタコ義務化を見据えた装着率向上を後押しするとともに、業界全体のデジタル化を加速させます。
また、安全運転管理の強化、労務管理の正確性向上、経営効率の最適化といった経営課題の解決を通じて、物流業界の健全な事業環境づくりと、地方に根ざした持続可能なモビリティ社会の実現に貢献してまいります。
株式会社Will Smartとは
Will Smartは顧客企業との対話を通じて培った経験やノウハウ、最新のソリューションを活用し、モビリティ業界のお客さまとの共創による社会課題の解決に取り組んでいます。
特に、デジタル技術を活用した既存業務の無人化や自動化に強みを持ち、バスターミナルにおけるバスダイヤ統合表示システムの新規開発やEV カーシェアリング・無人レンタカー・ライドシェア等を実現するIoT車載デバイスの提供、バス共同経営を支えるデータ分析基盤の構築など、幅広い分野での支援実績がございます。
詳しくはWill SmartのWeb サイト(https://willsmart.co.jp/)をご覧ください。
会社概要
会社名:株式会社Will Smart
代表者:代表取締役社長 石井康弘
設 立:2012年12月12日
事業内容:モビリティ業界を中心とした事業課題解決に対してDX技術を駆使したソリューションの企画・提案、ソフトウェアの受託開発と運用支援。
資本金:630百万円(2024年12月31日現在)
企業プレスリリース詳細へ
プレスリリース提供:PR TIMES
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