インディカー開幕戦:武藤英紀、佐藤琢磨はリタイア

2010年インディカー・シリーズが開幕。今年のインディカー・シリーズには、元F1ドライバーの佐藤琢磨、インディカー3年目となる武藤英紀の2名の日本人ドライバーが参戦する。

決勝はスタート前に一瞬降雨があったが、レースは青空の下でスタート。1周目のターン1で佐藤がスピンし、カストロネベスとディクソンがマシンにダメージを受けた。その直後のターン2ではマルコ・アンドレッティ(Andretti Autosport)とマリオ・モラレス(KV Racing Technology)のマシンが絡み、長いフルコース・コーションが出された。佐藤はリアサスペンションが壊れ、デビュー戦は1周もせずにリタイアとなった。

14番手スタートの武藤は、この混乱をくぐり抜けて6位に浮上したが、28周目、直前を走るヴィットール・メイラ(A.J.Foyt Enterprises)との接触を避けようとしてコントロールを乱し、ターン1のガードレールにヒットしてリタイアを喫した。

この後、レースは集中的な豪雨により、コース上に多くの水たまりができたために36分間の赤旗中断となった。リスタート後はハンターレイが逃げ、一時は5秒以上ものリードを築き上げた。ところが、スピードアップを果たしたブリスコーがトップを奪い、初優勝へと逃げきるかと思われたころ、54周目のターン7でタイヤバリアにノーズから突っ込み、マシンの修復が必要となって大きく後退。再びハンターレイがトップに立った。

これでもまだレースは終わらず、2位に浮上してきていたウィル・パワー(Team Penske)が58周目、ヘアピン状の最終コーナー進入でハンターレイのインを突いてトップへ。2時間ルールの適用でレースは予定の75周から61周へと短縮され、パワーが2010年の開幕戦ウイナーとなった。1.8581秒差の2位がハンターレイ。3位でゴールしたのはブラジル人ドライバーのメイラだった。

ウィル・パワー(優勝)

「今日のレースは自分のキャリアの中でも本当に複雑な展開になった。しかし、そういうレース展開だったからこそ、私にもチャンスが巡って来た。サーキットは主催者の努力によって、昨日までとまったく違う見事なコンディションになっていた。このコースはレイアウトがよいので、今日のようなコンディションであれば、速さを備えた者はオーバーテイクが可能という、好レースを繰り広げられる要素が整っていた。ファンにとってもエキサイティングなレースとなったと思う」

武藤英紀(20位)

「スタート直後のアクシデントは右に避け、一気に6位まで順位が上がりました。昨日よりも路面がよくなり、自分たちのチームのマシンセッティング向上で予選での走りもいいフィーリングでした。しかし、その予選用セッティングでは少しダウンフォースが少な過ぎたようでした。ストレートは速かったけれど、乗りづらかった。アクシデントを起こしてしまったのは、前を走るマシンがコーナーに進入するかなり手前で急にブレーキを踏んだからでした。相手も前のマシンとバトルをしていたのですが、あそこまで早いタイミングで減速されるとは予測していませんでした。これも自分のミスですからチームには申し訳ないです。第2戦セント・ピーターズバーグはチームが勝っているコースですし、自分も相性がいいと思うので、大いに期待しています」

佐藤琢磨(22位)

「スタート直後はすごいダストで、マシンが滑ってしまいました。自分としてはレースを続けたかったのですが、オフィシャルからリアが壊れて動かないと言われ、リタイアとなりました。走行初日は路面がすごくバンピーで、予選が決勝日に延期されて、と本当に色々なことが起きたレースでした。そういう中で自分たちは今日の予選でマシンをよくでき、トップ10に入ることができたので、レースを楽しみにしていました。しかし、スタート直後のリタイアとなってしまい、ピットストップなど多くのことを経験できなかったことは残念です。今回は多くのことが初めてでしたが、第2戦はチームにも経験があるし、そこをベースラインとしてがんばりたいと思います」

ジャック・スパーニー|HPDゼネラル・マネジャー

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「すばらしい2010年のインディカー・シリーズ開幕をサンパウロで迎えることができた。3本の長いストレートを持つサーキットのレイアウトと、市街地のコースならでは難しさがレースを見応えのあるものにしていたと思う。多くのドライバーがトップを走ったが、女性ルーキードライバーのシルベストロの走りは印象的で、彼女はグラハム・レイホール以来、初めてデビューレースでトップを走って見せた。レースはフィニッシュまでもがエキサイティングだった。優勝の座と3位が激しく争われていたからだ。パワーとTeam Penskeの優勝をたたえたい。また、各チームや主催者の尽力で見事なシーズン開幕を実現してくれたことを感謝したい」

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筆者
樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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