乗って帰れる!? 東京オートサロン駐車場前の一斉検問で摘発された不正改造車、その後どうなる??
- 筆者: 加藤 久美子
- カメラマン:加藤 博人・MOTA編集部
関東運輸局より、東京オートサロン恒例「無料車検会」(特別街頭検査)の結果が公表された。2020年は初の試みとして、ナンバー自動読み取り装置による「車検切れ」検査も同時に行われた。不正改造車の取り締まりはどのように行われるのか、実際に現地で確かめてみた。
>>東京オートサロン2020開場前の深夜に行われていた検問の様子を画像で見る[フォトギャラリー]
実録! オートサロンの不正改造車の取り締まりを目撃
不正改造車の街頭検査はいつ、どのようにして行われる?
東京オートサロン会場(幕張メッセ:千葉県千葉市)に来場する車に対する特別街頭検査や警察による取り締まりの中で、最も大規模なものは例年、土曜日の夜から日曜日早朝にかけて幕張メッセ駐車場入り口で行われている。
今年2020年の東京オートサロン開催時も、5500台を収容する巨大な平面駐車場の入り口で土曜日22時~日曜日4時までの6時間に実施された。
通常、幕張メッセ駐車場の開場時間は8時~23時だが、オートサロン期間中は3日間共に入庫は21時までで、金曜日6:00~23:00、土曜日6:00~22:00、日曜日0:00~23:00に変更される。
この期間中は平面入口が閉鎖され、入場する場合は全車、浜田交差点から豊砂交差点方面に向かって左側の立体入口を利用することになる。そしてこの立体入口に入る部分で例年、検問が行われている。
筆者&カメラマンは土曜の深夜0時半頃に現地の周辺にいたが、あちらこちらに警戒中のパトカーがいて、暴走行為などに対する監視も行っていた模様。
幕張メッセに入るクルマ(検問レーン)と入らないクルマは2本に分岐されており、左車線が入るクルマ、右車線がスルー車両となる。ここで駐車場に入らないクルマは右側車線に行けば、検問レーンを通ることもなくスルーできる。
今年から車検切れをチェックする「可搬式ナンバー自動読み取り装置」も設置
国交省では2018年より可搬式(持ち運びができる)“ナンバー自動読取装置”を用いた街頭検査を全国各地で行っているが、この度初めてオートサロン検問にも導入された。検問を通過する際、パソコンにつながった当装置によって車両ナンバーを即座に読み取って、車検切れかどうかを瞬時に判断する。ちなみに、今回検問を通過したのは924台で車検切れは1台もなかったとのこと。
話は戻るが、この検問レーンを通過する際、不正改造の疑いがあるクルマは駐車場に入ることができず、「疑いレーン」に呼ばれてここで精密検査を受けることになる。
疑わしき車両は“疑いレーン”で精密に取り調べを
疑いレーンに入ると、運輸支局の検査員や警察官10名前後は周囲を取り囲んで検査が行われる。
全身をくまなくチェックされたうえで、オーナーの話(というか言い訳?)にも一応は耳を傾けた結果、不正改造だと認められた場合は、その場で整備命令が出され、不正改造車のステッカーが貼られる。
疑いレーンに呼ばれたものの、不正改造ではないと判断されれば、幕張メッセ駐車場の入場を許可される。
2020年、東京オートサロン来場の不正改造車取り締まり結果は?
関東運輸局より報道発表された今年の結果をみてみよう。
■実施場所:千葉県千葉市美浜区浜田2丁目45番地18先 幕張メッセ駐車場立体入口付近
■日時:令和2年1月11日(土)22:00~12日(日)4:00
■検査車両台数:42台(全て四輪車)
■整備命令書交付台数:38台
■可搬式ナンバー自動読取装置による読取台数:924台
関東運輸局に状況を訊いてみた
特別街頭検査を担当した関東運輸局自動車技術安全部技術課に今年の状況を聞いたところ、
「42台の車両を検査し、違法な灯火器の取付け、騒音基準を満たさないマフラーの取付け、タイヤの突出、最低地上高不足等の不正改造がされていた車両に対して整備命令書を交付し改善措置を命じました。
タイヤの回転部分のはみ出しなどと共に、近年増加傾向にある不正改造の一つである“違法な灯火器”については、本来定められた灯火の色以外を使ったり、後部に白色の灯火を使ったり(後部はナンバー灯以外白色はNGなど)場所によって保安基準に抵触する場合があります」
特別街頭検査の際、ホイール内部が光るミニバンが検問を受けていたが「光源が見えるか見えないか」(光源が見えたらNG)でオーナーと検査官の間でもめていた。
なぜオートサロン会期中に“無料車検”(特別街頭検査)を行うのか?
県警や運輸支局主導ではなく東京オートサロン事務局からの依頼だった
通称「無料車検会」、正しくは「特別街頭検査」はなぜ、オートサロンの会期中に行われるのだろうか?
実はこの検査は、東京オートサロン事務局が不正改造車の来場を排除することを目的に運輸支局や千葉県警にお願いして実施してもらっている。オートサロン会場で暴走行為をする車が増えてきたことから2011年以降、毎年実施されるようになった。
運輸支局には車を停止させる権限がないため、警察と一緒に行っているそうだ。
そもそも、東京オートサロンは「ネガティブなイメージの強いチューニングカーを日の当たる場所に出したい。公認車検を取って公道を走れることを目指す」という思いでチューニングカー界のカリスマ稲田大二郎氏を発起人としてスタートしたイベントである。不正改造車が会場周辺で暴走するようなことは絶対にあってはならない。そこで、2011年以降、大規模な取り締まりが行われるようになった。
ところで…不正改造車のステッカーを貼られた車のその後は!?
ところで、不正改造車のステッカーを貼られた車はその後どうなるのか?
幕張メッセ駐車場以外なら特に問題なく駐車は可能。もちろんオートサロンを見に行くこともできる。
しかし、整備命令が出されているので当日から15日以内に保安基準に適合するようきちんと整備しなくてはならない。最寄りの運輸支局にて現車を確認してもらうことが必須で、そこで問題ないと判断されれば不正改造車のステッカーをはがして良いことになる。
[筆者:加藤 久美子/撮影:加藤 博人・MOTA編集部]
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