光岡 雷駆T3(ライクT3) 新型車速報
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“原付2輪・原付4輪以上、軽自動車未満”のクルマ
光岡自動車は10月17日(水)、ユアサM&Bと共同開発を行った新型電気自動車(EV)「雷駆-T3(ライク-T3)」を発表した。
光岡自動車は以前、原付4輪のマイクロカーEV「MC-1TEV」を生産していた。しかし最大積載量が30kgと、載せられる荷物に限りがあるところがネックであった。 そこで、以前から実際の現場レベルで使えるクルマを作ろうとしていたという。
さらに、近年ではネットショッピングユーザーが増加し、小口配達の需要が伸びてきているところにも注目し、“原付2輪及び、原付4輪以上、軽自動車未満”のクルマを 開発しようということなり、「雷駆-T3」が誕生したのであった。
「雷駆-T3」は、250cc以下側車付軽2輪車に分類される。いわゆる「トライク」だ。そのため、車検、車庫証明、シートベルト、さらに公道走行時のヘルメット装着義務もない。 ちなみに、運転時には普通自動車免許が必要だ。それまでトライクは乗用モデルであるため積載を前提としていなかったが、今回積載用途として型式認定を取得したことに よって、ようやく販売にこぎつけることができた。
EVに詳しくない人は“EVは非力”といったイメージを持っていると考えた光岡自動車は、当初のデザイン案では強いイメージのガンダム的なものにしていたそうだ。 しかし、これからは女性ユーザーにも多く使用してもらうことを考え、現在のやさしいイメージのデザインに至っている。
さらに安全性に重点を置き、リアオーバーハングにリチウムイオン電池を搭載し、限りなく後輪軸への荷重配分を考慮している。また、回生ブレーキを強めに設定する ことで、フットブレーキを踏むことなく、アクセルを放すだけで減速、停止に至る構造となっている。これは、ブレーキ系統の耐久性保持に一役買っていて、メンテナンス の軽減にも繋がっている。
すでに「雷駆-T3」は、佐川急便グループ SGモータース株式会社に導入されている。発表会に同席したSGモータース株式会社 代表取締役社長 谷本育生 氏は、「雷駆-T3の 導入によって、大都市近郊のサービスセンターでの集配ポテンシャルがどの程度上がるかを見ていきたい。さらに、化石燃料を使用するこれまでのトラックと比べ、 どの程度CO2排出量を抑えられ、環境負荷が軽減できるか着目していきたい」とコメントしている。
「雷駆-T3」は当面、東京・大阪にて販売される。4月以降は現在計画中とのこと。今後の都市部の配送光景に「雷駆-T3」が定着している日も近いかもしれない。
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