メルセデス・ベンツ Sクラスハイブリッド 試乗レポート/松下宏(2/2)
- 筆者: 松下 宏
- カメラマン:小平寛
ブースト機構が加わった加速力は相当なもの、エンジン再始動もとても静か
Sクラスハイブリッドの運転席に座ると、クルマの俯瞰図を模したインジケーターが目につく(画面は切り換えが可能)。このインジケーターが、通常の走行、ハイブリッドシステムによる加速、回生ブレーキなどを表示する仕組みだ。Sクラスハイブリッドは走行中は基本的にV型6気筒エンジンを使って走っている。なのでインジケーターはエンジンから後輪が白い線で結ばれ、通常走行をしていることを示している。
搭載されるV型6気筒3.5リッターエンジンは効率に優れたアトキンソンサイクルのエンジンで、S350用と比べてパワーの数字はわずかに向上している。これでも十分な動力性能といえる。そして追い越し加速などでアクセルを踏み込むと、モーターからの線も加わって赤い表示に変わり、モーターによるブーストが加わったことを示す。
逆にアクセルペダルから足を離すとすぐにタイヤからバッテリーに向けての線が緑の表示になってエネルギー回生が行われていることを示す。アクセルを踏んだ瞬間にすぐにブースト機能が働くが、その働き方は滑らかで自然に力強さが生まれる感じ。ブースト機構が働くのは5秒間なので、状況によってはもう少しブーストを効かせたいという気持ちになるシーンもあるが、ブースト機構が働いたときの力強さは相当なものだ。
ブレーキは、軽く踏み込むと回生ブレーキが働き、少し強く踏み込むと油圧ブレーキが加わり、さらに強く踏み込んで急ブレーキ状態になると油圧ブレーキだけになる。回生ブレーキに油圧ブレーキが加わるときには、それがわずかに感じられることもあるが、ブレーキそのものはとても良く効く。
アイドルストップ機構はブレーキを踏んで車速が時速15km以下に落ちるとエンジンが停止し、ブレーキを緩めるとすぐにエンジンが始動する。始動時にも振動や騒音が良く抑えられているので、タコメーターを見ていないとそれが分からないくらいだ。
よく考えられている価格設定
モーター走行のないマイルドハイブリッドなので、ハイブリッドらしさはさほどではないが、それでもアイドルストップ機構なども含めて燃費向上が著しい。その意味でハイブリッドの魅力を備えたクルマといえる。
Sクラスのハイブリッド車は、ロングボディに設定され、装備面でもS550と同等のものが用意されたこともあって、価格設定はかなり高くなった。標準ボディのS350が1,050万円なのに対し、ハイブリッドは1,405万円の設定だから355万円も高い。
ハイブリッド分の価格差は実質的には100万円ほどと見られるが、ボディ代に加えて装備の中身もS550並みの充実度にしたことで、結果としてこの価格になったようだ。S550に比べれば45万円高いが、S550ロングに比べたら105万円安いから、それなりに考えられた価格設定といえる。
ハイブリッドは、法人ユーザーなどオーナーが後席に乗るケースが多いとみてロングボディ車の設定になった。さらに左ハンドル車だけの設定であることからも個人ユーザーは限られたものになるかも知れない。
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