メルセデス・ベンツ Mクラス 海外試乗レポート(1/3)
- 筆者: 石川 真禧照
- カメラマン:メルセデス・ベンツ日本株式会社
新型Mクラス、ヨーロッパでビューはジュネーブから
メルセデスベンツ新型Mクラスの国際プレス試乗会は、南フランスのニース、カンヌ近郊を中心に行われた。3月初旬の試乗会というと、ちょうどスイスのジュネーブで毎年開催されるモーターショーに重なる。今回のツアーはまずジュネーブオートショーの取材からはじまった。
3月のジュネーブはまだ寒い。日中でも気温は10度C以下。しかしショーの会場は例年よりも熱気にあふれていた。その理由は空前のニューモデルラッシュ。なんと50車種以上のニューモデル、フルチェンジモデル、コンセプトカーが出展されたのだ。スイスは自国の自動車産業が皆無に等しいので、欧州だけでなく、アメリカや日本の自動車メーカーも出展に力を入れている。だから、ニューモデルの展示が多いのだ。
メルセデスベンツもMクラスのヨーロッパデビューをこのショーに選んだ。すでに北米向きには1月のデトロイトショーで公開しているが、今回はヨーロッパデビューになる。さらに、AクラスをベースにしたミニバンのBクラス、新型MクラスをベースにしたラグジュアリーミニバンのRクラスも公開するなど、ニューモデルラッシュ。すでに発表した4ドアクーペのCLSや、Eクラスのマイナーチェンジ車は、影が薄かった。
ここでMクラスについてちょっと説明すると、初代のデビューは1997年。セダンやスポーツカーを中心に乗用車シリーズを構成してきたメルセデスベンツが、さらに販売台数を拡大する手段として、コンパクトカーやSUV、ミニバンにまでバリエーションを増やそうとした。その第一弾として、AクラスとMクラスを開発したのだ。とくにMクラスは、販売台数が見こめる北米市場に向けて開発した。そこで生産も北米に工場をつくり、行ったのだ。この挑戦は大成功で、Mクラスはヒット車となった。
ライバルメーカーもBMW X5、ポルシェ カイエン、フォルクスワーゲン トゥアレグ、ボルボ XC90などを投入して追従してきた。さすがにデビューして7年目を迎え、こうしたライバルに負ける部分も見えはじめたところから、新型が開発されたのだ。開発陣に聞いてみると、開発にあたってのライバルは、BMW X5。これを徹底的に意識してつくり上げたといっていた。
日本への導入は夏を予定している。
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