マツダ プレマシー 試乗レポート

マツダ プレマシー 試乗レポート
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5速AT、S-VT全車搭載で走りの向上を楽しむ

05年2月にデビューした現行モデルは、スポーティなイメージのミニバンとして根強い人気モデルになっている。全幅は1745mmと広いが、全長は4565mmに抑えられ、最小回転半径も5.3mmと小回りがきく。扱いやすいミニバンだ。

最近のマイナーチェンジは07年1月に2L直噴ガソリンエンジン「DISI」と5速ATを採用した。さらに07年9月には、FF車全車に5速ATを標準装備、エンジンもS-VT(シーケンシャルバルブタイミン)を全機種に採用し、燃費を向上させた。

9月のマイナーチェンジではエクステリアにも手が加えられ、フロントマスクなどがシャープになり、精悍な顔付きになった。

メカニカルな部分ではサスペンションのジオメトリーを変更し、ハンドリング性能と乗り心地を向上させた。ロードノイズの侵入も抑えている。車両価格は試乗した23Sで4万4000円のアップになった。

アグレッシブに魅せるトータルデザイン

9月のマイナーチェンジでボンネットとバンパーを一体化させ、グリル下部をV字型にし、バンパーにくいこんだ形にした。バンパー下のエアインテークや左右のフォグランプスペースの形状も台形をモチーフにし、全体にアグレッシブなデザインになった。

ヘッドランプも形状が大きくなり、ドアミラーにはLEDウィンカーランプ内臓式を採用している。テールランプも上級グレードはLEDを使用、試乗した23Sもこの仕様だった。

インテリアの大きな変更点は、センターパネルのレイアウト。これまではダッシュボード上にせり上がる形式だったナビゲーション画面が、パネル中央に内臓された。ATのシフトレバーはセンターパネルシフト。これは従来どおり。運転席と助手席のサイドスルーもできる。

Gブック、アルファ対応HDDナビ、左前方を写すCCDカメラの駐車支援システム、ブルートゥースハズフリー機能などもオプションで用意された。

機敏でスポーティーな走りはさすがマツダ車

試乗したのは最上級グレードの23S。マニュアルシフトモード付5速ATのFF車だ。マニュアルモードのシフトレバーとハンドルスポークに装備されたスイッチで行える。このスイッチは表側がシフトダウン、裏側のボタンがシフトアップになる。

早速Dレンジで走り出す。2.3Lエンジンは2500回転からアクセルレスポンスが鋭くなり、6500回転まで常用できる。ハンドリングは、重めの操舵力で直進性が強いFF車らしいセッティング。きりこみのクイック感はあるので、スポーティなフィーリングを味わえる。

しかし、本当にスポーティさを楽しみたいなら、マニュアルモードを使うほうがよいだろう。マツダのスポーティな味付けを楽しめる。

室内は1列目から3列目まで大人が座ることができる。3列目でも身長160cmまでならOK。ウォークスルーは1列目からできるがアームレストが通路を狭くしているのは残念だ。

同セグメントを凌ぐ出来栄えの満足な一台

3列シートのミニバンで、全長が4.5m、全幅は1.75mというサイズだと、トヨタ・ウィッシュのスポーティグレードがライバル。しかし、ウィッシュは2Lエンジンなので、走りの余裕はプレマシーのほうが上だ。

シートアレンジも、プレマシーは2列目のキャプテンシートは中から補助シートや収納ボックスが出てくるカラクリシート。3人掛けにもなる程、アレンジに優れている。

室内の広さも特に2、3列目シートの広さは、ウィッシュなどのライバルたちを凌ぐスペースを確保している。しかも、3列目シートでも座り心地は犠牲にされていないのは実用的でもある。

唯一のウィークポイントは使用ガソリンがプレミアムガソリンであること。ファミリーユースのベストチョイスは、2.3Lよりも無鉛ガソリンの2L+5速AT車、20Zか、20Sの直噴エンジン仕様がおすすめ。

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石川 真禧照
筆者石川 真禧照

1947年東京都生まれ。1970年日刊自動車新聞社入社。翌年同社退社後、フリーの自動車評論家となる。1982年「I.W.OFFICE」を設立し、自動車を中心としたメディア活動を開始。「自動車生活探検家」として、『GORO』『DIME』(小学館)、『HOT DOG PRESS』(講談社)、『カーセンサー』(リクルート)など多数のメディアで活躍、現在に至る。日本モータースポーツ記者会会員。日本自動車ジャーナリスト協会副会長。記事一覧を見る

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