激戦のコンパクトSUVにまた1つ有力候補が登場! マツダ CX-30を試乗&解説

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マツダがCセグメント市場を意識して作り出したCX-30。

幅広いユーザーをターゲットとして、そのコンセプトを守りつつスポーツカーのようなストイックな動きが味わえるSUVとして誕生したマツダ CX-30を渡辺 陽一郎氏が徹底解説!

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目次[開く][閉じる]
  1. CX-3に近く、運転しやすいSUV
  2. 2リッターガソリンエンジンは実用回転域、高回転域共に良好
  3. ディーゼルらしからぬ動力性能
  4. SUV特有の腰高感はなし
  5. 最も優れた組み合わせはガソリン4WD
  6. まとめ:CX-30のおススメグレードはこれだ!

CX-3に近く、運転しやすいSUV

魂動デザインとスカイアクティブ技術に基づく今のマツダは、カテゴリーではSUVに力を入れている。OEM車を除いた8車種の内、4車種がSUVだ。この中で最も設計の新しい車種がCX-30になる。

CX-30は、既存のマツダのSUVでは、CX-3とCX-5の間に位置する。ボディサイズは全長が4395mm、全幅は1795mm、全高は1540mmとされ、全高が1550mm以下だから立体駐車場を利用しやすい。最小回転半径は5.3mに収まり、SUVでは運転しやすい。こういった特徴を考えると、CX-30はコンパクトなCX-3に近い。

視界は、前方と側方はおおむね良い。後方はサイドウインドウの下端を後ろに向けて持ち上げたから、少し見にくくなった。それでもSUVの平均水準には収まり、混雑した街中でも持て余さない。

エンジンのラインナップは3種類

エンジンは直列4気筒2リッターガソリン、2リッタースカイアクティブX、1.8リッタークリーンディーゼルターボの3種類を用意した。2リッターガソリンと1.8リッターディーゼルは、CX-3と同じタイプになる。

2リッターガソリンエンジンは実用回転域、高回転域共に良好

今回試乗したグレードは、2リッターガソリンと1.8リッターディーゼルであった。試乗車のタイヤは、すべて18インチ(215/55R18)だ。スカイアクティブXについては、2019年11月中旬時点で、動力性能や燃費の数値が発表されていない。従って販売店を含めて試乗できない。

まず2リッターのガソリンエンジンは、駆動力の立ち上がり方が滑らかで実用回転域の駆動力も高く扱いやすい。4600回転前後になると、速度の上昇が少し活発になる。高回転域の吹き上がりも良好だ。トランスミッションは有段式の6速MTで、さまざまな車種に採用されるCVT(無段変速AT)に比べると、走りにメリハリが伴う。アクセル操作によって、速度の微調節もしやすい。

車両重量は少し重く、6速AT仕様で、前輪駆動の2WDが1400kg、4WDは1480kgだ。車両の性格がスポーティなSUVだから、この加速力は少し物足りない。また登坂路でアクセルペダルを踏み増した時など、CVTであれば無段階に変速させてエンジン回転を適度に高めるが、有段式6速ATは融通が利きにくい面もある。

もっとも、背の高いミニバンになると、2リッターエンジンに1500~1600kgのボディを組み合わせる。動力性能が不満なのは確かだが、ドライバーによって程度は異なるだろう。

ディーゼルらしからぬ動力性能

動力性能の余裕を求めるなら、1.8リッターディーゼルを推奨する。最大トルクは27.5kg-m(1600~2600回転)とされ、実用回転域で高い駆動力を発揮するからだ。1400回転以下では駆動力が落ち込むが、1600~3500回転付近は力強い。

ディーゼル特有のノイズは相応に聞こえるが、吹け上がりは活発で、Dレンジでフルに加速すると4800回転前後でシフトアップした。ディーゼルらしさが乏しいともいえるが、ガソリンエンジンに親しんだユーザーでも、運転しにくく感じることはないだろう。

SUV特有の腰高感はなし

プラットフォームは、マツダ3と同様の新しいタイプで、走行安定性は良好だ。全高を1540mmに抑えた効果もあり、SUVでも車線変更時に左右に振られる腰高感は生じない。峠道では操舵角に応じて車両が回り込み、旋回軌跡を拡大させにくいことも特徴だ。

その上でエンジンと駆動方式による違いも見られた。まずエンジンによる走行安定性の傾向だが、ディーゼルよりもガソリンの方が優れている。ガソリンはターボも装着されず、車両重量が主に前輪側で約50kg軽いためだ。操舵に対する反応が適度に機敏になり、カーブを曲がりやすい。

最も優れた組み合わせはガソリン4WD

駆動方式は4WDが良い。アクセルペダルを閉じている下りカーブでも、走行状態に応じてGベクタリングコントロールと併せて電子制御式多板クラッチが制御され、前後の駆動系を連携させて安定性を高める。

そうなると走行安定性が最も優れた組み合わせは、ガソリンの4WDだ。カーブを曲がっている最中に、危険を避ける場面でも、4輪の接地性が高く安心できる。

逆にディーゼルの2WDは、前後輪の荷重配分がかなり前寄りだ。カーブで良く曲がる半面、走り方によっては後輪の接地性が少々抜けやすい印象があった。CX-30では4WDの制御を綿密に行うので、雪道や雨天だけでなく、舗装路でも安定性を高める効果を発揮する。

乗り心地は時速40km以下で街中を走ると硬く感じたが、全長が4400mm以下のコンパクトなクルマでは、良好な部類に入る。乗り心地でも、4WDの方が前後輪の重量配分の良さを感じた。

後席は体の小さい人用?

内装にも触れておきたい。インパネの上面には柔らかいパッドが備わり、コンパクトSUVとしては質感が高い。水平基調のデザインで左右に広がり感があり、エアコンのスイッチは比較的高い位置に装着されて手が届きやすい。メーターの視認性も良好だ。

前席は座り心地が快適だ。体の沈み方は少なめだが、腰から大腿部をしっかりと支える。背もたれの高さと座面の長さに余裕があり、長距離移動時でも疲れにくい。

後席は足元空間が狭めだ。身長170cmの大人4名が乗車して、後席に座る乗員の膝先空間は、握りコブシ1つ半になる。CX-3は握りコブシ1つ弱だから、CX-30の方が広いが、十分とはいえない。3~4名で頻繁に乗車するなら、同じ測り方で握りコブシ2つ分を確保するCX-5を推奨したい。

またホンダ ヴェゼルは、コンパクトSUVだが空間効率が優れ、同じ測り方で後席の膝先空間は握りコブシ2つ半に達する。このような点を踏まえても、CX-30は前席優先のSUVだ。

まとめ:CX-30のおススメグレードはこれだ!

グレード選びにも触れたいが、CX-30では、前述の通りスカイアクティブXの性能が分からないから困る。一般的にクルマを買う場合、ひと通りのグレードとデータを確認した上で、自分に合った仕様を決めるだろう。スカイアクティブXが不明では、この作業に進めない。

それでも価格は発表されている。ガソリンに比べてディーゼルは燃費が良い代わりに27万5000円高く、スカイアクティブXはさらに40万7000円の上乗せだ。そうなるとスカイアクティブXの価格は、ガソリンを68万2000円上まわる。相当にスペシャルティなエンジンだ。一般的な選択はガソリンかディーゼルで、購入時の税額の違いも考えると、ディーゼルが割安になる。

ガソリンとディーゼルの実質的な差額は約19万円に縮まり、6万kmを走れば、この金額を燃料代の差額で取り戻せる。しかもディーゼルはガソリンに比べて動力性能も高い。

駆動方式は4WDを選ぶ。先に述べたように高機能な4WDの価格が23万6500円だから割安だ。ディーゼルの場合で、4WDのWLTCモード燃費は、2WDに比べて0.8km/Lしか悪化しない。4WDは燃費効率も優れている。

グレードはXDプロアクティブツーリングセレクションを推奨する。XDプロアクティブに、渋滞時の疲労を抑えるクルージングトラフィックサポート、運転席の電動調節機能などを含んだドライビングサポートパッケージ、スーパーUVカットガラス、CD/DVDプレーヤーなど、オプションを含めて18万円相当の装備を加えながら価格上昇は12万1000円に抑えた。

従って最も推奨度の高いグレードは、4WD・XDプロアクティブツーリングセレクション(324万5000円)になる。価格は高めだが、それに見合う機能と装備を備えている。

[筆者:渡辺 陽一郎/撮影:和田 清志]

マツダ CX-30 主要スペック比較表
グレード名2.0 20S Lパッケージ AT1.8 XD Lパッケージ ディーゼルターボ 4WD AT
価格(消費税込み)279万円331万円
全長×全幅×全高4395mm×1795mm×1540mm4395mm×1795mm×1540mm
ホイールベース2655mm2655mm
駆動方式FF4WD
車両重量1400kg1530kg
乗車定員5名5名
エンジン種類直列 4気筒 DOHC直列 4気筒 DOHC
総排気量1997cc1756cc
エンジン最高出力115kW(156PS)/6000rpm85kW(116PS)/4000rpm
エンジン最大トルク199Nm(20.3kg・m)/4000rpm270Nm(27.5kg・m)/1600rpm
トランスミッションフロア 6フロア 6
使用燃料レギュラー軽油
燃料消費率(JC08モード燃費)--km/L--km/L
燃料消費率(WLTCモード燃費)--km/L--km/L
燃料消費率(WLTC:市街地/郊外/高速道路モード)--km/L--km/L
タイヤサイズ215/55R18215/55R18
マツダ/CX-30
マツダ CX-30カタログを見る
新車価格:
239.2万円330.6万円
中古価格:
303万円303万円
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渡辺 陽一郎
筆者渡辺 陽一郎

1961年生まれ。自動車月刊誌の編集長を約10年務めた後、フリーランスのカーライフ・ジャーナリストに転向。「読者の皆さまに怪我を負わせない、損をさせないこと」が最も重要なテーマと考え、クルマを使う人達の視点から、問題提起のある執筆を心がけている。記事一覧を見る

監修トクダ トオル (MOTA編集長)

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