今のうちに対策しておきたい! 冬に起こりがちなクルマのトラブルとチェックすべき7つのポイントとは

  • 筆者: 近藤 暁史
  • カメラマン:近藤 暁史/MOTA編集部
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クルマの品質がよくなったとはいえ、季節ごとの対策は重要となってくる。さすがにオイルの粘度や冷却水の濃度をいちいち変える必要はないが、やはり冬の寒さというのは、人間だけでなく、クルマにも厳しいシーズンだ。

今回はバッテリーやエアコン、ワイパーの状態など、日常点検にプラスフルファとしておこなっておきたい7つのチェックポイントを紹介しよう。

目次[開く][閉じる]
  1. [ポイント1]もっとも重要なのはバッテリーだ
  2. [ポイント2]スタッドレスタイヤへの交換も事前に準備しておきたいところ
  3. [ポイント3]1年中使用するエアコンはシーズン前に温風が出るか確認しておきたい
  4. [ポイント4]新車ならば問題ないが中古車でチェックしておきたいのが冷却水だ
  5. [ポイント5]意外と盲点になりがちなのがウォッシャー液だ
  6. [ポイント6]降雪時にも大活躍のワイパーも状態をチェックしておきたい
  7. [ポイント7]非降雪地から寒冷地に行く際には軽油にも注意したい

[ポイント1]もっとも重要なのはバッテリーだ

最近のバッテリーは、アイドリングストップや充電制御に対応したタイプが増えていて、ストレスは溜まるばかり。それゆえ、突然上がることがあるので注意が必要だ。輸入車のバッテリーは電流が大きいことから以前より、突然死が起こりやすかったが、現在は日本車でも同様になっていると言っていい。

さらに寒さはバッテリーにとって、苦手というのはご存知だろう。具体的には25度での性能を100とした場合、10度下がると性能も10%下がるとされる。0度になればそれだけで75%となるわけだ。これは新品での話なので、劣化などがあればさらに低下することは十分に考えられる。

対策も兼ねた日頃の点検としては、端子が汚れていないか、ケースに亀裂や膨らみがないかをまずは確認。液量が確認できるタイプであれば、サイドのラインで規定値にあるかを見る。

この際、バッテリー内部は6つの部屋に分かれているので、すべてを確認するようにしよう。また、最近増えているメンテナンスフリーバッテリーは液量確認が不要だが、上部に充電状態がわかるインジケータで、判断することができるので定期的に見ておきたい。

そのうえで冬前に性能測定を受けておくと安心だ。バッテリーの点検というと、電圧などをテスターで測るだけと思うかもしれないが、プロが行うのは専用機器で負荷をかけて測定するので、よりリアルな状態が判断可能。

ディーラーや修理工場、ガソリンスタンドはもちろん、街中にある電装専門店であれば点検だけでなく、バッテリー選びの相談に乗ってくれたりするので、オススメである。

[ポイント2]スタッドレスタイヤへの交換も事前に準備しておきたいところ

降雪地帯の方は当たり前だろうが、非降雪地帯でもたまに降るところは油断しがちで、降り出してから慌てることが多い。

ニュースでよく見る雪で大混乱の東京というのはいい例だろう。スタッドレスタイヤを用意してあるなら、早めに交換するのは当然で、交換時には溝の残量やヒビなどが発生していないかを確認しておく。

シーズンオフは放置されていたので、空気圧も指定の数値を入れる。ちなみに最近は、タイヤ業界全体でロングライフ化に力を入れていて、上手に使って保管すれば2シーズン使用してもほとんど性能劣化がないというテスト結果があるので、なおさら適正な使用が大切と言っていいだろう。

[ポイント3]1年中使用するエアコンはシーズン前に温風が出るか確認しておきたい

今や1年を通じてオンにしているのがエアコンだ。冬場もガラスの内側に発生する曇りの除去などに効果を発揮してくれるなど、酷使される。シーズン前には温風にした場合にしっかりと暖かい風が出るか。

また悪臭が出ていないかを改めて確認しつつ、エアコンフィルターについても点検して、汚れていたら交換する。エアコンフィルターが汚れをキャッチしてくれるため、悪臭が防げているので、1年を通じてできるだけきれいな状態を保ちたい。

[ポイント4]新車ならば問題ないが中古車でチェックしておきたいのが冷却水だ

冒頭で触れたように冷却水は新車時であれば日本の気候に合わせた濃度に合わせてあるし、現在主流のスーパーLLCは新車時から16年間そのままでいいので、そもそも交換する必要はない。

ただ中古車でなにが入っているのか? そもそもいつ換えたのかわからない場合は、ディーラーや整備工場で点検してもらって、必要に応じて交換しよう。最悪の場合、凍結による冷却系の破裂や破損もありうるだけに危険をはらんでいるし、不安や疑問を感じながら冬を迎える精神的にもよくない。

[ポイント5]意外と盲点になりがちなのがウォッシャー液だ

冷却水は意識が行くかもしれないが、ウォッシャー液は盲点だったりする。ウォッシャー液のパッケージには外気温による濃度の対応表が表示されていて、交換時はその指示に合わせる。

また、冷却水も含めて、暖かいところから極寒の地に突然行くようなときは注意したい。量自体も雪が降ると頻繁に使うこともあるので、点検して補充しておくといい。

[ポイント6]降雪時にも大活躍のワイパーも状態をチェックしておきたい

ガラス表面に付いた雪や氷を落とすのにもワイパーは活躍する。シーズン前にはゴムやブレードの状態を点検しておく。ゴムは曲がりや亀裂、ヒビが発生していないか。

ブレードは金属の骨が組み合わされて作られているが、全体的にガタが出ていないかを見ておく。高いものではないし、安全に直結するものだけに、少しでもおかしかったら交換するようにしたい。そもそもワイパーは1年毎の交換がベストとされているのでなおさらだ。

[ポイント7]非降雪地から寒冷地に行く際には軽油にも注意したい

冬対策というより、非降雪地から寒冷地に行く際の注意点が軽油。軽油に含まれるパラフィンという成分は凍りやすく、一旦凍ると当然、エンジンがかからなくなってしまう。

規格として特1号、1号から3号、さらに特3号があって、数字が大きくなるほど凍りにくくなる。北海道のなかでも特に寒い場所では特3号が売られている。一気に極寒地に向かう場合は、タンク少なめで出発して、現地に着いたら入れたりするといい。また添加剤も販売されているので、こちらを使うのも手だ。

【筆者:近藤 暁史】

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近藤 暁史
筆者近藤 暁史

男だてらに学習院大学文学部国文学科卒。ファッション誌の編集から一気に転身して、自動車専門誌の編集部へ。独立後は国内外の各媒体で編集・執筆。雑ネタを中心に、旧車、メカ、メンテナンス&レストアなどを得意とする。また、貼って効くなど、業界唯一のオカルトグッズ評論家としても活躍する。愛車は19歳のときに買ったFIAT500(ルパンのやつ)、2代目プントを6台乗り継ぐ(すべて色違い)、フィアット馬鹿一代。さらにバイクは現在稼働が4台。ひっそりとYouTube「こんどう自動車部」も進行中なので、こっそり見てみてください。記事一覧を見る

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