カワイイけれど走ると凄い?! ミニの最上級モデル「ジョン・クーパー・ワークス(JCW)」って一体ナニモノ?
- 筆者: 小鮒 康一
ミニのシリーズでも特別モデル「ジョン・クーパー・ワークス」、通称JCW。クラシックミニの名チューナーであったジョン・クーパー氏の名を冠したこのシリーズこそ、ミニのスポーツパフォーマンスを最高に磨いたモデルなのだ。ここではその成り立ちを整理してみた。
ミニ史上、最もホットなジョンクーパーワークス(JCW)とは
一目でそれと分かるアイコン的なキュートなルックスと、オリジナルモデルのキャラクターを色濃く受け継いだゴーカート感覚の運転感覚で、今もなお多くのファンを魅了し続けるミニ。そんなミニの数あるラインナップの中でも、ひと際目を引くホッテストモデルとして知られているのが「ジョン・クーパー・ワークス(JCW)」シリーズだろう。
そもそも“ジョン・クーパー“とは何か? というと、イギリスのレーシングコンストラクターの「クーパーカーカンパニー」を創設したのがジョン・ニュートン・クーパー氏。フォーミュラ1(F1)でもコンストラクターズチャンピオンを獲得するなど、当時のレース業界でその名を知らぬものはいないと言っても過言ではない人物だった。
そんなジョン・クーパーはオリジナルのミニの素晴らしいハンドリング性能に注目し、より高出力なエンジンとブレーキを備えたモデルを作成。このモデルこそが初代の“ミニ・クーパー”だったのである。
その後ミニ・クーパーはラリーやサーキットレースなど、さまざまなモータースポーツで活躍を見せ、よりハイパフォーマンスな「クーパーS」も登場。実用的な大衆車という側面と、モータースポーツベース車という2つのキャラクターを持つモデルとなったのだ。
クーパーの名前を受け継いだMINI Cooper
そしてクーパーの名前は2001年に登場した新型ミニにも受け継がれ、クーパーとクーパーS、そして最もホットなモデルとしてジョンクーパーワークスが設定されたのである。
ちなみにミニ・クーパーのアイコンのひとつでもある2本のボンネットストライプは、自チームの車両を識別しやすいようにとクーパーカーカンパニーのレーシングカーにペイントされていたものが基となっている。
現在は4つのタイプから選べるジョン・クーパー・ワークス
ジョン・クーパー・ワークスは現行型のミニシリーズにも設定されており、最も基本となる3ドアハッチバックボディを持つ「ミニ JCW」を筆頭に、オープンエアモータリングも楽しめる「ミニ コンバーチブル JCW」、使い勝手に優れるワゴンボディと特徴的な観音開きのリアドアを持つ「ミニ クラブマン JCW」、そしてどんな場所へも走って行けそうなアクティブさを併せ持つ「ミニ クロスオーバー JCW」の4タイプの中から選ぶことができる。
なお、全てのモデルにジョン・クーパー・ワークス肝いりのチューニングが施された直列4気筒2リッターDOHCターボエンジンが搭載され、その出力は170kW/320N・mを誇る。そしてそのパワーを余すことなく路面に伝えるトランスミッションは8速に多段化されたATで、ミニ JCWとミニ コンバーチブル JCWは前輪駆動、ミニ クラブマン JCWとミニ クロスオーバー JCWは四輪駆動となっている。
どのモデルを選んでも刺激的な走り味を楽しむことができるが、しいて言うのであれば前輪駆動の2モデルはオリジナルミニのややピーキーな(といっても危険ではない)痛快ハンドリングが楽しめるモデルで、四輪駆動の2モデルはロングホイールベースと優れた四輪駆動システムによって、圧倒的な走行安定性を味わうことができるモデルと言えるだろう。
走りもスタイルも妥協したくない人に
また、ジョン・クーパー・ワークスはミニシリーズのフラッグシップモデルという側面も持っているため、標準仕様の状態でも必要と思える装備はほぼ揃っているという点も忘れてはならない。
そしてミニならではの特徴としては、世界に一台だけの“自分だけのミニ”を作り上げることができる「MINI Yours」がジョンクーパーワークスでも選ぶことができるというのも特筆すべき点だ。
走りだけではなく、エクステリアもインテリアもすべてにおいて妥協したくない、と考える人にとって、ミニのジョン・クーパー・ワークスシリーズは非常に魅力的な選択肢のひとつと言えるのではないだろうか。
そしてもし、ディーラーで商談をするのであれば、その日はほかの予定を入れない方が賢明だろう。なぜなら豊富な選択肢の中から1つの仕様を絞り込むには相当な時間がかかってしまうハズだからである。
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[執筆:小鮒康一/写真:MINI]
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