欧州Dセグ個性的スポーツワゴン 徹底比較(4/4)
- 筆者: 岡本 幸一郎
- カメラマン:原田淳
ファンの期待に応えることを大切にしたクルマ
サーブ車の世界販売台数は、概ね年間12~13万台という。これは少量生産といえる数字である。そんなサーブが存続していくため、9-3は単なるオペル車のスキンチェンジ版にすませることなく、見た目でも、乗り味においても、ファンの期待に応えるものをたっぷりと与え、その部分を本気で頑張ったことが伝わってくるクルマに仕上がっていると思う。
従来のサーブ車というと、プレミアム性があることはわかるが、地味なようでもあり、派手なようでもあり、いまひとつわかりにくいところがあったと思っている。
今回の変更で、若々しく、華のある、そしてキャラクターの立った、GMブランドの中でもプレミアムな位置づけであることに相応しいクルマになったと思う。
価格が割高である印象がするのは否めないところだが、それを補ってあまりある魅力のあるクルマだ。好みであれば、買って損のない1台だろう。
最優先したのはアルファならではのデザイン
最優先したのはデザインだろう。サーブとは逆に、アルファ159という選択肢は、往年のアルファロメオらしい味を求める人には、少々物足りないクルマになってしまったかもしれない。ボディが大きく重くなり、エンジンフィールにもいまひとつ元気がない。ただし、デザインはまぎれもなくアルファである。
世界中の自動車が、どうこういってもドイツ車の追従路線を進むのが趨勢となった中で、アルファの進化の方向性も、それに近いものになったのではないか。それは、走りにおいては、スタビリティとコンフォート、クオリティ感の追求にあるのではと思う。その上で、アルファロメオ車らしいデザインを意識したクルマとして仕上げたのであろう。その方が、より多くのユーザーに歓迎されるはずである。ファンの数(しかも熱狂的な)でいうと、今回の3台の中ではダントツで多いことだし…。
そうなるとなおさら、セレスピードは商品力の上でマイナスだろう。ただし、3.2L V6エンジン搭載モデルであれば、6速AT「Qトロニック」と4輪駆動システム「Q4」が与えられている。価格差はそれなりに大きく、一声2.2JTSの100万円高となるが、その価格差以上の価値があるので、どちらかというとそれをオススメしたい。
ドイツ車へのアンチテーゼとして有力候補
プジョーと聞いてイメージするのは、B~Cセグのハッチバック車であり、やはりそちらが主体のメーカーである。407は現状、日本市場におけるプジョーのヒエラルキーの中で頂点に位置するモデルだ。407SWは、大仰なフロントマスクや長いフロントオーバーハング、ワゴンとしての少々至らない空間設計など、部位で見ると考えさせられる部分のあるクルマではあるが、スタイリングのまとまりは悪くないと思う。そして、運転しても、プジョーらしい味わいを実感させるクルマでもある。これらいろいろなものを身に着けたクルマである。
Dセグのワゴンというと、やはりドイツのブランドが強いのは事実である。しかし、それへのアンチテーゼとして目を向けるべき1台として、非常に有力な候補といえるのではないか。価格的にも、SW2.2が396万円~、SW3.0が476万円と聞くと、それなりに高価格帯ではあるが、内容を考えると、あるいは今回の2台を含めライバル車と比較すると、むしろ割安にすら思えてくるのである。
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