フォード フィエスタ試乗レポート/藤島知子 ~走りにこだわる欧州で人気のフィエスタを再インプレッション~(4/4)
- 筆者: 藤島 知子
- カメラマン:和田清志
そうした中で改めてフォード フィエスタがクルマ通の心を捉えて止まない理由は何か考えてみると、スペック至上主義よりもデザインの美しさや走りの面で人の五感に寄り添う気持ちよさを磨き込んでいるところに共感できるからなのかも知れない。
フィエスタは目に留まりやすい飛び道具がなく、236万円という価格設定は一見すると競合車の中では高価に映るものの、正確な運転操作と安全なドライブに結びつく正しい運転姿勢が取りやすいことや高い次元の操縦性を追求したクルマづくり、世界的にも厳しい欧州の衝突安全テストで最高評価の5スターを獲得している点は安心感が高い。
さらに、最近話題の衝突被害軽減ブレーキや上級クラス並みのスポーティなルックスが標準装備されているし、職人的な気質で走りを磨き上げた点が走るたびに濃密な時間を楽しませてくれることを思えば決して高くはない。
世間で数が売れている定番モデルも悪くはないが、日本がもっと成熟したクルマ選びができる社会になって欲しいことを思えば、家電のように目先の使い勝手でクルマを選ぶのではなく、こうした隠れた名車が心にトキメキを与え、豊かな気持ちにさせてくれる世界が存在することをもっと多くの人に体験してみて欲しいと思う。
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