BMW X6M 海外試乗レポート/河村康彦 編(2/3)

  • 筆者: 河村 康彦
  • カメラマン:ビー・エム・ダブリュー株式会社
BMW X6M 海外試乗レポート/河村康彦 編
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この巨体で0-100km/h加速はわずか4.7秒!

今回のモデルのパワーパックにはもう一点、“M車の常識外”のポイントがある。

それは、前述のように従来の各MモデルがMT、もしくはそれをベースとしたトランスミッションを採用したのに対して、こちらはトルコンATを用いる事。

「DCTにはまだこのエンジントルクに見合う大容量ユニットが存在しないし、ボートや馬の牽引(!)などの用途では、こちらに分がある」のが、その理由との回答。すなわち、そこに採用のパワーパックからしてこれまでにない価値観を提案する、“新時代のM”の誕生だ。

2.4トン近い重量級ボディの持ち主ながら、いざ走り出せばそんな事を感じさせないのは、低回転域からのアクセル操作に対しても瞬時に太いトルクを発する心臓の威力。

通常とは逆に“内側排気”のレイアウトを持つエンジンは、そのバンク内へコンパクトに収められた排気系に、左右両バンクから最高1,050度に達する高温=高エネルギーのガスを連続して送り込む構造が特徴。

それゆえ、2基のツインスクロール・ターボはまるで機械式スーパーチャージャーのように、エンジン低回転時から俊敏なレスポンスを示すのだ。これが1,500~5,650rpmと驚異的に幅広いゾーンで680Nmという猛烈に太い最大トルクを発し続ける、このエンジンキャラクターの大きな秘密になっている。

さすがに、他のMモデルのような超高回転域に掛けての鮮烈な伸び感は味わえないものの、それでも0→100km/h加速がわずかに4.7秒という圧倒的な速さなのは、最高555psという際立つ最高出力の成せる技。

ちなみに、通常シーンではトルコンATらしいジェントルでスムーズな変速を行うトランスミッションは、マニュアル・モードを選ぶとタイトな繋がり感と素早いシフト動作がまるでDCT風味。

こちらのモードでは変速時に明確なシフトショックを伴うものの、それが走行性能に「悪さ」をするどころかスポーツ走行時にはむしろアップテンポでメリハリある走りを演出し、好ましいスパイス役を果たしてくれるのは発見だった。

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河村 康彦
筆者河村 康彦

1960年東京生まれ。工学院大学機械工学科卒。モーターファン(三栄書房)の編集者を経て、1985年よりフリーランスのモータージャーナリストとして活動を開始し、現在に至る。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー選考委員、インターナショナル・エンジン・オブ・ザ・イヤー選考委員 などを歴任。記事一覧を見る

樺田 卓也 (MOTA編集長)
監修者樺田 卓也 (MOTA編集長)

自動車業界歴25年。自動車に関わるリテール営業からサービス・商品企画などに長らく従事。昨今の自動車販売業界に精通し、売れ筋の車について豊富な知識を持つ。車を買う人・車を売る人、双方の視点を柔軟に持つ強力なブレイン。ユーザーにとって価値があるコンテンツ・サービスを提供することをモットーとしている。

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